• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

今年のゲームビジネスは「凪」状態

2007年6月29日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

2006年のE3の様子。この最後のE3で、任天堂は鮮やかな逆転劇を見せた

 「大嵐」の時代は終わりました。2007年のデジタル・エンタテインメントビジネスは「凪」の状態にあることを、ぜひ理解しておいてください。

 大嵐が終わったのは、ちょうど1年前のことです。ロサンゼルスで開催された世界最大のゲーム展示会E3(Electronics Entertainment Expo)で、任天堂が鮮やかな逆転劇を演じました。全世界のジャーナリストが集結する場でWiiを発表し、話題を独占したのです。ライバルのプレイステーション(PS)が、その高価格設定ゆえに来場者(とくに流通関係者)を落胆させたのと比較すると、それは歴史的な大成功だったといっていい。

 E3で生まれた空気は、その後のゲームビジネスを一変させます。E3以降、雪崩を打ったように「Wiiが面白そうだ」「PS3は厳しいぞ」という空気が醸成され、いざ年末にハードが発売されたとき、一般ユーザーが、その空気どおりの反応を示したのは周知のとおりです。

 かくして任天堂は、大嵐の時代の終わりを制しました。オセロゲームでいうならば、最後の最後に、任天堂が角マスに白を叩き込んだようなものです。それまで劣勢だった盤面は一転し、「白優勢」の空気が作られました。その空気が現在まで続いているのです。

地道な失地回復が唯一の手段

 デジタル・エンタテインメントビジネスには、こういった「一夜にして逆転する」という劇的なドラマが起きるもの。そのダイナミズムこそが魅力であり、この業界の未来を予測することの困難さの要因でもありました。

 しかし2007年現在、ゲームビジネスにおいて、しばらく一発逆転のチャンスはないと断言しておきます。あまりに肥大化してしまったE3は、2006年を最後に開催をやめることになったからです(厳密には小規模なイベントとして存続しますが)。

 東京ゲームショウ(日本開催)、ゲームコンベンション(ドイツ開催)など、世界各地で開催されるゲーム関連イベントはあるのですが、E3ほど全世界に影響を与えるものはありません。このため、デジタル・エンタテインメントビジネスは、しばらく完全なる「凪」状態が続きそうなのです。

「凪」状態における未来予測

 そんな状況を理解していれば、2007年後半のゲームビジネスは、ごく自然に予想することができます。

 据え置きゲーム機市場では、そう遠くないうちに、Wiiが世界最強のハードとして君臨するようになるでしょう。「時代の空気を一変させる」イベントがないのですから、現在の売れ行きがそのまま継続されることになる。1年先に発売され、普及台数でアドバンテージを持っていたXbox 360に、いずれWiiが追いつくはずです。

 その結果、しばらくはXbox 360とWiiが共存する形になりそうです。まったく違うタイプのゲーム機であるため、「両者ともに成功する」という幸せな結末になると予想します。一方、E3という一発逆転の機会が失われた今、残念ながら、PS3がここに食い込むことは不可能に近いと思われます。

 なにか変化があるとすれば、それは北米市場で起きるでしょう。

「デジタルエンタメ天気予報」のバックナンバー

一覧

「今年のゲームビジネスは「凪」状態」の著者

野安 ゆきお

野安 ゆきお(のやす・ゆきお)

ゲームジャーナリスト

ファミコン時代からゲーム業界に参加。1000本以上のソフトを体験し、100冊を超えるゲーム攻略本制作に参加している。ゲーム雑誌編集部、編集プロダクションを経て、現在はフリーランスとして活動中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

日本の経営者は、経験を積んだ事業なら 失敗しないと思い込む傾向がある。

三品 和広 神戸大学教授