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『日本人と組織』山本七平著(評:荻野進介)~これって、社保庁のこと?

角川oneテーマ21、685円(税抜き)

  • 荻野 進介

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2007年7月17日(火)

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『日本人と組織』

日本人と組織』 山本七平著、角川oneテーマ21、685円(税抜き)

評者の読了時間3時間35分

 タイトルを見て、「ああ、社会保険庁のことだな」と思った。一連の報道で明らかになった保険料納入記録の紛失自体信じられないが、「いかにも日本的だ」と思ったのは、当時の責任者を特定して処罰するのではなく、社保庁全体に責任ありとして、長官が全職員に賞与の自主返納を呼びかけたことだ。

 こういう、おかしなやり方で、組織の構成員全員に連帯責任を負わせるのは実は社保庁だけではない。タバコを吸った一部の野球部員のために、なぜ野球部全体が甲子園出場を辞退しなければならないのだろうか。こんな疑問を解くヒントが書かれているのが本書である。

 日本の組織概念と西洋のそれを比較し、日本的組織の特徴を述べた内容で、初出は30年以上前の雑誌連載である。日本人と日本社会を批判的に分析する山本七平(故人)の一連の著作のなかで、軍隊以外の日本の組織を真正面から扱った稀な作品である。

神という概念なき国の「家族的」組織

 山本によれば、西洋の組織は「契約的組織」であり、その原型はシナイ半島の荒野を脱し、今のイスラエルの地に入ろうとしたモーゼと彼に従う人々だった。つまり、神(GOD)と人は契約関係にあるという旧約聖書の記述が基礎にある。

 一方の日本には「神」という概念がない。それに近い言葉をあてるとしたら「自然」であり、江戸時代の思想家・貝原益軒は自然(宇宙)と人間との関係を親子関係ととらえた。山本は、日本の組織の源流をそこに見出した。つまり、日本の組織は「家族的組織」であるという。

 互いに家族同士だから、日本の組織は特別なマニュアルを必要としない。会社でも社規・社則はあるが、ほとんど空文に等しい。それに対して西欧の会社は社規・社則から日常の業務規定まで、すべてマニュアルに記されており、全員の順守が求められる。

 社保庁も、契約的組織というよりは家族的組織だったのだろう。

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