• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

くたびれたら『水木サンの幸福論』

~なまけ者には「福」がある?

2007年7月18日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

水木サンの幸福論

水木サンの幸福論』 水木しげる著 角川文庫 590円(税抜き)

 調布の商店街には、妖怪のオブジェがある。「ゲゲゲの鬼太郎」で知られる漫画家の水木しげるさんが暮らしていることもあり、妖怪オブジェが飾られた「鬼太郎通り」ができあがって10年。先日そのオブジェの一部が壊されたり、盗まれるという事件があった。

 「ひどいことをする」。新聞のコメントは当然のように、水木さんの「嘆き」で判で押したようにまとめられていたが、テレビでは笑い顔で、話題づくりになっていいと語っていた。

 どちらも本心だろうが、テレビのほうが断然水木さんらしい。ポジティブシンキング! ニュースで取り上げられれば、調布に行けば妖怪に会えるという宣伝になるというわけだ。本書は、そんな水木さんの自伝だ。

 描いてきた妖怪は、1000を超える。子供ならまだしも、長じてのちも妖怪について嬉々として話すオジサンは、世間の尺度からすると「奇人変人」扱いされる。水木さんも、そういう目で見られてきた。妖怪などこの世にいないのではないかと思って、苦しんだこともあったという。

人生のルールは、山ほどのヒサンな経験から

 「楽してのんきに好きなことをやって生きていこう」が、人生のルールだと水木さんは言う。束縛が嫌いだった水木さんは子供のころにそう決めた。周囲とはテンポの違う、変わった子供だったらしい。「のんき」に生きようとするものの、それを許すような世相でもなかった。就職先になじむことができず、職を転々。戦況悪化とともに駆り出された軍隊では上官に睨まれ、殴られどおし。爆撃で左腕を失いもした。

 山ほどヒサンな体験をした、水木さんの語り口は驚くほどに飄々としている。困った、とため息をつきながらも、常に目は前を向いている。

 この親にしてこの子ありのエピソードが、片腕になって復員してきた水木さんを見て、父が言った言葉だ。

「おまえはもともと無精者で、両手を使うところを片手でやっていたんだから、一本で大丈夫だろう」

 もちろん親なりに先行きを危惧したのだろうが、シンミリうつむき加減になることもなく、おかげで水木さんも、利き腕が残ったのだから絵を描くのによかったと前向きになれたという。

 戦後は魚屋、輪タク、アパート経営、紙芝居など、人に紹介され食うためには何でもした。貸本漫画をきっかけに漫画家となった。しかし、思うようにお金が入ってこない。版元に買ってもらうため、はやりに合わせて絵は何でも描いた。暗いし、その名前では売れないからと、勝手にペンネームを変えられたこともあった。「ゲゲゲの鬼太郎」で売れっ子になったのは40歳を超えてからだ。

コメント0

「超ビジネス書レビュー」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

子会社とどう向き合うかで、その企業のガバナンスを判断できる。

牛島 信 弁護士