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なぜ素人っぽいと言われる?『山の上ホテル物語』

~サービスの極意とは、見えないこと。

  • 澁川 祐子

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2007年7月25日(水)

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山の上ホテル物語

山の上ホテル物語』 常盤新平、白水Uブックス、950円(税抜き)

 行きつけの店をつくるのは、なかなか難しい。気まぐれにふらりと立ち寄っても、親しみをもって迎えてくれる。けれど、必要以上に馴れ馴れしくない。ほどよい距離を保ちながら長くつき合える店、というのは案外出合えないものだ。

 東京御茶ノ水の高台にある「山の上ホテル」は、池波正太郎や山口瞳といった、好みのうるさい作家たちに愛された宿として知られている。どうやってわがままな客たちを満足させ、虜にしたのか。この『山の上ホテル物語』には、“真のホスピタリティとはどういうものか”が書かれている。

 山の上ホテルは創業1954(昭和29)年、客室数は本館と新館あわせて74室という老舗の小型ホテルである。著者は、アメリカ現代文学の翻訳家であり、作家でもある常盤新平氏。自身も山の上ホテルにカンヅメになった経験を持ち、このホテルのファンだ。その著者が、創業者である故・吉田俊男の経営哲学を作家たちの記述、従業員の証言、吉田が残した広告のコピーやメモ書きから丹念にあぶり出していく。

見えないことが大事

 カユイ処に手の届く様な至れり尽くせりの旅館がたまにあります。しかし、ホテルはボケッとしてすきな様にして下さい。そして何かお役に立つ時があれば何時でも御下命下さいといふのが本質の様です

 これは、吉田俊男がホテルの便箋に走り書きしたものだ。ホテル屋にいちばん大切なのは「心に沁みる見えないサービス心」とも記している。文章としては舌足らずにも思うが、究極のホスピタリティの精神が滲み出ている。

 長年フロントに立ち、支配人を務めた秋山祐介は、チェックインとアウト時の客の表情を見て、

このお客様は満足されたのかどうか、何か御不満の点はなかったのだろうかなど、口でおたずねするのは、押しつけがましいので、それとない感じでうちへの評価を知ろうとする

 という努力を重ねてきたと語る。決して「ご満足いただけましたか」とは聞かないのである。

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