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『戦国三好一族』今谷明著(評:福地 誠)
~“信長の野望”の前に

洋泉社新書MC、1700円(税抜き)

2007年7月25日(水)

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『戦国三好一族 天下に号令した戦国大名』

戦国三好一族 天下に号令した戦国大名』 今谷明著、洋泉社新書MC、1700円(税抜き)

評者の読了時間4時間31分

 三好長慶という戦国大名をごぞんじだろうか。織田信長から豊臣秀吉を経て徳川家康に受け継がれる天下人3代の系譜の、0代目といえる先駆者だ。本書は、その三好長慶の祖父から3代を中心とした畿内史である。時代としては、応仁の乱以降、信長の上洛まで。

 「天下人」というのはかなり曖昧な概念で、一般には京都を中心とした広い地域を支配した人物が挙げられる。その意味では、四国北部から関西一帯を支配した三好長慶も該当している。一時は将軍・足利義輝を京都から追い出して幕府の政権機能を停止させ、まさに天下を掌握していた。信長が室町幕府を滅ぼす20年も前のことだ。

堺に幕府が存在していた

 いや、それだけではない。さらにその30年も前に、長慶の祖父・元長の力を背景に、一時期、京都の幕府とは別に堺にもうひとつの幕府が成立していた。将軍は足利義維(よしつな)。これはどんな通史書にも書かれていない事実で、本書の原本が刊行された1985年、著者の提唱する堺幕府論に学会は騒然となったという。

 信長が天才的な革新性によって中世を打破していったとよく語られるが、じつはかなりの部分が先駆者・三好一族によって準備されていたのである。

 それでは、なぜ三好長慶は天下人の系譜の中で語られないのか。その理由は、天下取りレースという壮大な物語を、誰が“創作”したかに帰着する。

 江戸初期に小瀬甫庵(おぜほあん)という人物の書いた『信長記』がベストセラーとなった。信長の伝記である同書は、大きな事件は史実に沿いながらも、細部は話を盛り上げるために虚構のオンパレードだった。

 言うなれば講談の小説版だ。そのディテールがあまりにもおもしろかったため、事実が検証されることもないまま定着し、ありもしなかった奇襲攻撃(桶狭間の戦い)や戦術(長篠の戦いでの鉄砲三段撃ち)を参考にして戦前の日本軍は作戦を立てたし、今もNHKの大河ドラマでは荒唐無稽な作り話がくりかえされている。

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