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ニューギニアの極楽鳥、魅惑のダンス

  • 藤田 宏之

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2007年7月27日(金)

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 ニューギニアのジャングルの奥深くで、鳥のダンスショーは日夜繰り広げられている。

 深々と優雅にお辞儀をしながら、ゴクラクチョウの雄がビロードのマントのような黒い羽を逆立て、淡い色の脇腹を見せる。細くしなやかな頭の飾り羽が、リズミカルに地面に触れる。雌に捧げる求愛ダンスの舞台となる一角は、雄が前もってきれいに掃除し、草の根をまいてある。自分をより魅力的に見せるための演出だ。

 厳しい目で雄を品定めする数羽の雌たち。すぐ上の枝に並んで、舞台を見下ろしている。早速、いつものように踊り始めた雄は、バレリーナのように細長い脚でつま先立ちになり、前へ進み出る。



山間部の多いニューギニアには、多様な種のゴクラクチョウが暮らしているが、その生息地は種ごとに限定されている。多くが、特定の山脈の特定の高度に生息しているのだ。それぞれの種が互いに孤立していて、交配の機会少ないため、ゴクラクチョウは奇抜で美しいさまざまな姿へと進化した。
山間部の多いニューギニアには、多様な種のゴクラクチョウが暮らしているが、その生息地は種ごとに限定されている。多くが、特定の山脈の特定の高度に生息しているのだ。それぞれの種が互いに孤立していて、交配の機会少ないため、ゴクラクチョウは奇抜で美しいさまざまな姿へと進化した。

 そして、ふいに動きを止め、雌の心を引きつけてから、激しいダンスを踊り出す。頭を上下に振って、頭の飾り羽を弾ませる。飛び跳ねたり体を揺らしたり、休む間もない。羽ばたきであごひげが震えている。

 一心不乱の求愛ダンスに魅了され、一番近くにいた雌が身を震わせて雄を誘う。雄は甲高い鳴き声を上げて、雌に飛びかかる。激しい羽の動きのせいで、アタックの成否は知るよしもない。しかし、そんなことはお構いなしに、雄はすぐに次の相手を求めてダンスショーを再開する。

 ニューギニアの熱帯雨林は、ゴクラクチョウの一風変わった求愛ダンスの舞台だ。こんな方法で交尾の相手を誘惑する鳥は、世界中どこを探してもほかにいない。好みのうるさい雌を魅了するために、雄はきらびやかな羽でできた“派手な舞台衣装”を身にまとっている。小粋なマントに、つややかな胸当てを光らせ、頭にはリボンや帽子で飾りたてたような着飾りぶりだ。

 あごひげや、左右に大きく伸びたカイザーひげ、さらにはたっぷりとした首の肉まで震わせて雌の気を引く。赤、黄、青などの鮮やかな色が、緑濃い熱帯雨林にひときわ映える。

 華やかな羽をもつゴクラクチョウたちは、意外にも分類上はカラスに近縁とされる。数百万年前にカラスから枝分かれし、今日見られる38種のゴクラクチョウの仲間になったのだ。うち34種は、ニューギニアと周辺の島々にしか生息していない。現在、研究目的以外でゴクラクチョウをニューギニアから持ち出すことは、禁止されている。

 ゴクラクチョウは、生物学的な謎も多い鳥だ。生きるうえで必要のない機能は切り捨てる進化の過程で、なぜ華美な羽や芝居がかった求愛ダンスが生まれ、厳しい淘汰を免れてきたのだろうか。自然界において、自分の存在を誇示するのは危険極まりない行為だ。捕食者に自分の居場所を教えているようなものだからだ。

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牛島 信 弁護士