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現代美術の見本市「アート・バーゼル」

オイルマネーの流入による空前のアートバブルを目の当たりにする

2007年7月30日(月)

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 ここ数年の“海外のアートバブル”の勢いはすさまじい。2004年にピカソの《パイプを持つ少年》がオークション史上初めて1億ドルを突破し、1億416万ドル(113億円)で落札されたと思ったら、昨年はクリムトの《アデーレ・ブロッホバウアー1》が1億3500万ドル(155億円)、ポロックの《No.5,1948》が1億4000万ドル(163億円)と次々に最高値を更新し、世間を騒がせた。

 『日経アート・オークション・データ2007』(日経BP社)によると、「美術品の価格は1990年当時より32%上回り」「2006年に落札価格が100万ドルを超えた作品は810点にのぼる」という(ジョルジーナ・アダム「1990年に迫る勢いを示した2006年の世界美術市場」)。1990年のバブルを支えたのは日本人だったが、今回は欧米のほか「ロシア、中国、インド、中東などの新興国のバイヤーがアート市場に参入したことも、ブームを牽引する大きな要因となった」(同上)。

800軒から絞り込まれた約300軒のギャラリーが出展

 そんなアートバブルを実際に肌で感じてみようと、この6月にスイスのバーゼルで開かれたアートフェア(美術見本市)「アート・バーゼル」に行ってきた。今回はそのレポートをお届けしたい。

「アート・バーゼル」の会場風景(撮影:村田真、以下同)

「アート・バーゼル」の会場風景(撮影:村田真、以下同)

 アートフェアというとバーゼルのほかにも、パリのFIAC、ニューヨークのアーモリーショー、ロンドンのフリーズ・アートフェアなどが知られているが、今年38回目を迎える老舗の「アート・バーゼル」は聞きしにまさるものだった。

 まず驚いたのは規模の大きさ。会場となるメッセには世界中から約300軒のギャラリーが出展していたが、これは800軒を超すギャラリーから厳しい審査を経て絞り込まれた数。したがって信用できるギャラリーばかりだし、作品のレベルも保証ずみということだ。「アート・バーゼル」が高いステータスを保っていられるゆえんである。

人気の中国人作家ファン・リジュンの大作

人気の中国人作家ファン・リジュンの大作

 国別でみると、アメリカが73軒で最多、以下ドイツ55軒、スイス36軒、イギリス29軒、フランス23軒、イタリア21軒の順。日本は4軒のみ(ギャラリー小柳、小山登美夫ギャラリー、シュウゴアーツ、SCAI)というのが少し寂しい。出展作家は、各ギャラリーが扱う20世紀以降のアーティスト約2000人。さすがにピカソやウォーホルら巨匠作品はあちこちで見かけるが、近年躍進著しい中国の現代絵画も目立つ。

 ここには5日間の会期中、コレクター、画商、キュレーター、アーティストら5万人を超す客が集まる。筆者が訪れたのは一般オープンの6月13日。もちろん筆者は買うのが目的ではない(というより金がない)単なる野次馬だけど、もし買うつもりだったら初日では遅すぎる。その前日には世界中から自家用機で乗りつけたVIPたちのために、その名も「ファースト・チョイス」が開かれ、主要作品が買い占められてしまうからだ。だから本気で買い集めようと思ったら、事務局が発行する招待状とVIPカードを入手することが絶対条件となる。

 ためしに日本のギャラリーに聞いてみると、どこも前日にほぼ完売したという。ある画商は「日本の数倍の値段をつけても売れてしまう」と半ばあきれ顔だし、別の画商は2日目にして売るものがなくなってしまったと苦笑い。アート・バーゼルの事務局は数字を公表してないものの、取引額は一説によれば数百億円規模。今年4月のアートフェア東京は売上げ好調といっても10億円だから、ケタが違う。

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