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『「タバコは百害あって一利なし」のウソ』 武田良夫著(評:速水健朗)
~禁煙は、国策であるべきか?

洋泉社 新書y、780円(税抜き)

  • 速水 健朗

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2007年7月30日(月)

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『「タバコは百害あって一利なし」のウソ』

「タバコは百害あって一利なし」のウソ』 武田良夫著、洋泉社 新書y、780円(税抜き)

評者の読了時間2時間30分

 最近はオフィスや交通機関など公共スペースでの禁煙化が進み、愛煙家は隅に追いやられる一方だ。

 本書は、タバコがこのようなバッシングを受けるに至った経緯をまとめたもの。前半ではここ四半世紀における喫煙者の受難の歴史をまとめ、後半ではピューリタニズムから始まるもっと大きな嫌煙の歴史に触れる。

 読みどころは、「受動喫煙」「ニコチン依存症」「社会コスト論」という3つのキーワードが、喫煙バッシングの「態度形成に大きな影響を与えた」と論じる前半部分だ。

 著者は「受動喫煙」の健康被害との関連は「科学的に評価することはきわめてむずかしい」にもかかわらず、7割近くの人たちがそれを「科学的に十分証明されている」と誤解している点を指摘。また、ニコチンにドラッグのような強い依存性があるという一般に信じられている説に対しては、海外の学者の説を取り上げて反論する。

喫煙者バッシングは許されてしかるべき?

 そして、喫煙が「医療費の上昇」に「拍車をかけて」おり、火災などの被害にもつながるため、大きな経済的負担になっていると喫煙者を批判する「社会コスト論」に対し、「試算する人によって結果の数字が大きく異なってくる」「とても偏った理屈」と批判する。

 これらの論を展開するにあたり、著者はさまざまな学説や論文、疫学のデータなどを用いているが、その多くは、“嫌煙論者”には素直に受け止められないはずだ。事実、反論の余地は多い。喫煙・嫌煙問題で科学的根拠の話をすると、往々に神学論争となってしまう。

 タバコに関する研究論文は世界中で書かれており、すべてに目を通すのは難しい。また、どの学者がどちらの陣営か(たとえば、喫煙陣営のタバコ会社か、嫌煙陣営のWHOか)などということも問題とされ、キリがないし結論も出ない。

 著者はそうは言わないが、もはや世界の先進国の動向から見ても、喫煙の自由が制限される流れが加速するのは自明の理。そこはいかんともしがたい。しかし、だからといって喫煙者が理不尽にバッシングされていいという理屈にはならない。著者が示す3つのキーワードを、喫煙者のバッシングのされかたの変容として捉えるならこうなる。

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