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『ゲノムサイエンス ゲノム解読から生命システムの解明へ』 榊佳之著(評:漆原次郎)
~「ゲノム」って今どうなっている?

講談社ブルーバックス、940円(税抜き)

  • 漆原 次郎

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2007年8月1日(水)

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『ゲノムサイエンス ゲノム解読から生命システムの解明へ』

ゲノムサイエンス ゲノム解読から生命システムの解明へ』 榊佳之著、講談社ブルーバックス、940円(税抜き)

評者の読了時間4時間30分

 一時期に比べて「ゲノム」という言葉が、世間に出回らなくなったように思う。2003年にヒトのゲノムの解読が完了してから、はや4年あまり。もうゲノムの研究は下火になってしまったのだろうか。いや、そうではない。むしろやるべき研究は山積みなのだ。

 そもそも、「ゲノム」とは、個々の生き物がもっている遺伝情報の総体のこと。生き物の特徴を支配する設計図のようなものだ。あなたの体のあなたらしさは、あなたのゲノムがつかさどる、と言ったら身近に感じるだろうか?

 ゲノムについての本は、ゲノム研究の社会的影響に踏み込んだ『DNA』(ジェームズ・ワトソン著)や、研究を倫理面・法律面から捉えた『バイオポリティクス』(米本昌平著)などのような、“社会派色”の濃いものが多かった。その中で、本書はゲノム研究そのものを正面から紹介した、“科学色”の濃い本といえる。

ゲノム解読という知の競争

 著者は、各国が協力してヒトゲノムの塩基配列を解読した「ヒトゲノム計画」のうち、日本の役割だった21番染色体(ヒト染色体23対のうちの1つ)の読み取りの指揮をとった人物である。科学者の視点から、DNA二重らせん構造が解明されたゲノム科学の夜明け、世紀の大イベントとなったヒトゲノム解読完了の瞬間、そして、その後に展開されるポストゲノムの研究を時系列で追っていく。

 ヒトゲノムの解読作業は、各国の研究機関に所属する科学者からなる国際チームと、米国の新興企業の間で繰り広げられた“知のスピードレース”だった。著者は、一企業の攻勢に翻弄されつつも、負けじと対抗する国際チームの必死の努力を克明に振り返る。

 それは、ある程度の不備があってもいち早く全ゲノム情報を公開するために、小さな解読成果を積み上げる方法を捨て、大きな全体像を描き出す方法を取るという、研究方針の大転換を伴うものだった。

 NIH(アメリカ国立衛生研究所)などにより提案されたこの方針転換に「一方的な押し付けは許すことができない」と憤った科学者もいた。とくに日本の共同研究相手であり、国際協力の精神を重んじるドイツの研究者からは厳しい反発の声が上がった。

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