• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

『「慰安婦」問題とは何だったのか』 大沼保昭著(評:呉智英)
~元慰安婦を現実に“救済”するために

中公新書、820円(税抜き)

2007年8月3日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

『「慰安婦」問題とは何だったのか』

「慰安婦」問題とは何だったのか』 大沼保昭著、中公新書、820円(税抜き)

評者の読了時間6時間00分

 慰安婦についての議論は、いくつもの論点といくつもの立場が錯綜している。

 論点は、まず第一に、慰安婦の実態はどのようなものであったかであり、第二に、その慰安婦であった女性を我々はどう扱うかであり、最後に、海外からの慰安婦関連の日本批判にどう対応するかである。そして、論点ごとに論者の立場がちがっており、意見がちがっている。

 本書は、元慰安婦への“償い金”であるアジア女性基金の理事を務めた政治学者による、その苦闘の記録である。当然、第2の論点が中心になり、立場としては元慰安婦救済ということになる。私とは考えが近いものもあり、ちがうものもあるが、報道などではわかりにくいこの種の活動、任務の困難さが細部にわたって記録され、非常に興味深い一冊となった。

 私自身は慰安婦について、次のように考えている。

特別な存在ではない。しかし、救済するのは当然だ

 慰安婦は基本的に娼婦である。本質において、現在のいわゆるフーゾク嬢などと変わらない。交戦国、敵国であった支那(「支那」は世界共通語であって差別語ではない。日本人に限って「支那」を禁ずることこそが差別である)やオランダ他の女性は別として、選挙権・被選挙権も順次認められていった同じ大日本帝国臣民たる朝鮮人の女性を性奴隷として強制連行するなどということは考えにくい。事実、そのような証拠は何一つない。

 とはいうものの、現代とは圧倒的にちがう貧困と不十分な教育、そして同一国内における格差(内地と朝鮮地域)の上に、甘言や瞞着を以って娼婦を集めたのだから、昨今のコギャルや出会い系の援助交際とは同一視できない。

 現在、健康上も経済的にも困っている元慰安婦が多いからには、これに救済の手を差し伸べるべきだろう。ただし、これを“償い”とするのには異論がないわけではないが。

 ともあれ、現実的に困っている人がいれば、元娼婦であろうと病人であろうと失業者であろうと、救済に尽力して悪いはずがない。

コメント18

「NBO新書レビュー」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

「絶対これしかありません」というプランが出てきたら、通しません。

鈴木 純 帝人社長