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スポーツ大国「ニッポン」に足りないもの

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2007年8月2日(木)

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 随分と昔の話になりますが、私が12~13歳のとき、自宅のあった人口3万人程度の小さな町に大きな出来事がありました。超有名テニス選手ロッド・レーバーの元コーチであるチャーリー・ホリスが自分の通うテニスクラブのコーチとして就任したのです。

 テニス好きな方ならご存じかもしれませんが、ロッド・レーバーはグランドスラム(世界4大大会である全豪オープン、全仏オープン、ウィンブルドン、全米オープンを同じ1年にすべて制覇すること)を達成した名選手です。これまでこの偉業を2回(1962年と1969年)も成し遂げたのは、今でも彼ひとりだけです。

 10代でテニスに打ち込んでいた私たち兄弟は、稀にみる大チャンスだと思いました。それから数年間にわたって、テニスの技術だけでなく、知恵や戦略をホリスコーチの元で習うことができました。

 彼はシミュレーションドリル(各ストロークのボールなし練習)を非常に重んじました。ドリルを指導している間に、必ずテニスの知恵について一言コメントをします。その1つは「いくら練習しても『killer instinct』(やっつける本能)がないと勝てないぞ」。動物の世界の比喩で、エサになる相手が一番もろい立場になったときに攻め込むということです。

 先日、サッカー日本代表のアジアカップの試合を見ていて、久しぶりにホリスコーチの言葉を思い出しました。日本代表は、2回(オーストラリア戦と韓国戦)も相手チームの選手の退場により、人数的に有利な立場で試合を展開することができました。45分という「ラッキー」な時間が手に入っても、その時間内で相手をやっつけられなかったのです。

 「疲れていた」という人もいたけれども、それは素人の世界で通じることであって、プロには当てはまらないと思います。個人的な意見ですが、中澤佑二選手のような一部の選手を除いて「killer instinct」が足りなかったのが主な敗因ではないかと思っています。

 7月28日にアジアカップ3位決定戦で、日本が宿敵韓国に敗れたのはほんとうに非常に残念な結果でした。準々決勝で、私の母国オーストラリアと日本が因縁の対決を迎えたとき、私は完全に日本を応援しました。なんとなく、ワールドカップの実績のせいでオーストラリアの選手が生意気すぎる印象を受けたからです。

 オーストラリア戦では、ブラジル人監督ジーコの元でできなかったことを日本代表は見せてくれました。今までブラジルがお家芸として独占権を持っていた「o jogo bonito」(the beautiful game)を披露してくれました。

 長年ずっと日本代表を応援し、見続けてきましたが、これまでに見たことのないようなとても美しいサッカーで、ファンに対して勇気と元気を与えてくれました。テレビの前の私は、興奮のあまり飲み足りなくて、つい2本目のワインを開けてしまったほどです。

 しかし人生と同様に結果は結果です。この先どんどん「killer instinct」にあふれているハングリーな選手が日本代表に加わってほしいものです。

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