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2007年8月2日(木)

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 7月16日のこと。この日は「海の日」。心配していた空模様も大丈夫なようで、朝から日差しさえあった。第89回全国高校野球選手権京都大会。堀川高校はこの日京都府立西宇治高校と対戦することになっていた。

 11時30分プレーボールの予定であったが、9時頃に監督から連絡が入った。「第1試合の平安高校がコールド勝ちしそうなので、試合時間が繰り上がりそうです」。

 試合会場の太陽が丘は宇治市にあって、自宅から車で1時間余りかかる。急いで家を出た。

 何気なくNHKラジオを聴きながら走った。続いた雨で水量の増した宇治川沿いをしばらく上流に向かう。ラジオでは千葉県流山市からの中継をやっていた。10時15分ごろだったか、ラジオから突然「揺れていますね。……地震のようです」。

 その後放送はスタジオに切り替わって、新潟県柏崎市沖が震源と見られる地震があったことを繰り返した。各地の震度が伝えられる。柏崎市で震度6強。京都市でも震度1、宇治市は震度2だった。

また「あともう一歩」で負けてしまうのか

 車を停めて電話をかける。相手はすぐに出た。「あなた、今もう太陽が丘にいるの?」「はいそうです」。堀川高校の教員で、吹奏楽部の顧問。野球の応援ですでに会場にいた。「今しがた柏崎で地震があったってラジオで言ってた。お家に連絡した方がいいんじゃないかな」。彼女は柏崎の出身だ。

 会場に到着すると出場選手の名前がアナウンスされていた。スタンドに座るとさきほどの教員がやってきた。「さっきはありがとうございました。連絡したんですが通じないので、新潟市に住んでいる妹に電話して、様子を確かめるように頼みました。新潟市は大丈夫なようです」。

 後で分かるのだが、3年前の地震に比べて柏崎市の被害は大きかった。彼女の実家もひどい状態であったが、たまたま洗面所にいた母親は難を免れていた。

 野球の試合は、堀川が先制した。しかしすぐに逆転される。8回表まで3対5の状態で続く。なんとなく嫌な感じがした。このまま、もう一歩だったというところで終わるのではないか。去年もそうだった。おととしは数年ぶりに1回勝ったが、その後の試合がこんなふうにもう一歩で、結局負けた。不安がよぎる。

 それでも声を振りしぼっての応援は続く。野球部員の保護者はオレンジのTシャツ。吹奏楽部員もやはりオレンジのポロシャツだ。そして、なぜかしら妙に元気。負けているのにそんな雰囲気ではない。それにもまして不思議なのは、守備が終わってベンチに走って帰ってくる選手たちが笑顔であること。ニコニコしている。うなだれるというような様子はまったく見えない。スタンドが活気に満ちているのも、この選手たちの明るさ、快活さの影響か。

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