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全米揺るがすトンガス国有林の再生論争

「森林保護」か「経済開発」か?

  • 藤田 宏之

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2007年8月3日(金)

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 巨木がそびえ、野生動物が生命を謳歌する。雄大な山々に抱かれた氷河がはるかな時を経て海に達し、入り江でクジラが潮を吹く。それが米国アラスカ州南東部の自然だ。カナダのブリティッシュ・コロンビア州北部と太平洋にはさまれたこの一帯では、霧に包まれた急峻な山々とフィヨルド、1000を超す島々が入り組んだ地形を織りなしている。

 アレクサンダー諸島の名で知られるこれらの島々があることで、直線距離だと800キロメートルに満たないこの一帯の海岸線の総延長は約2万9000キロメートルに及ぶ。1万カ所以上の河口と総延長2万2000キロメートルあまりの河川は、海からやってくる魚たちの産卵の場となっている。この地域の土地の約5%は、先住民または州の所有地で、12.5%はグレーシャー・ベイ国立公園・自然保護区だ。そして残りの670万ヘクタールは、すべてトンガス国有林に含まれる。



厚い雲の間から差し込む陽光を浴びてまどろむフェイバリット海峡。トンガスではこんな天候の日が多く、年間平均降水量は3700ミリに達する。
厚い雲の間から差し込む陽光を浴びてまどろむフェイバリット海峡。トンガスではこんな天候の日が多く、年間平均降水量は3700ミリに達する。

 トンガスの森は正確には“国有の温帯雨林”だ。この森の原生林はきわめて豊かな生態系をもち、単位面積当たりの生物資源量(バイオマス)は、熱帯のジャングルよりも多い。温帯雨林はかつて、北半球のノルウェーから南半球のチリまで世界各地に分布していたが、その多くが伐採の対象となってきた。

 米国では、アラスカとハワイを除く48州で、原生林の96%がすでに伐採されている。トンガス国有林は、米国に今なお残る巨木の森林としては最も広大で、世界に現存する原生の温帯雨林全体の3割近くを占める、貴重な自然の宝庫なのだ。

 セオドア・ルーズベルト大統領がトンガス国有林を創設してから100年ほどたつが、今でも大半は手つかずのまま残っている。国有林内の300万ヘクタール近い土地は、20カ所ほどの国立記念物区域、国立保護区、原生自然地域に指定され、開発は厳しく規制されているのだ。

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