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本当は9月2日?~『東アジアの終戦記念日――敗北と勝利のあいだ』
佐藤卓己・孫安石編(評:山本貴光+吉川浩満)

ちくま新書、740円(税抜き)

  • 山本 貴光,吉川 浩満

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2007年8月8日(水)

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『東アジアの終戦記念日――敗北と勝利のあいだ』

東アジアの終戦記念日――敗北と勝利のあいだ』 佐藤卓己・孫安石編、ちくま新書、740円(税抜き)

評者の読了時間1時間50分

 太平洋戦争はいつ終わったのか。

 この問いかけに、多くの人が、「終戦記念日」と呼ばれる8月15日を思い浮かべるのではないだろうか。

 たしかに、毎年8月15日が近づくと、新聞やテレビなどのメディアから「終戦記念日」という言葉がひんぱんに聞こえてくる。また、昭和天皇によるいわゆる「玉音放送」が1945年8月15日に行われたこともメディアを通じて繰り返し喧伝されてきた。その結果、あたかもきっかりその日に戦争が終結したかのような気持ちになってくる。

 しかし、本当にそうだろうか。

 注意深く歴史文書を読んでみれば、日本が連合国による降伏勧告(ポツダム宣言)を受諾したのは8月14日であり、降伏文書に調印したのは9月2日だということがわかる。8月15日は、天皇が日本国内に向けてポツダム宣言の受諾を告知した日であるにすぎない。しかも、その告知は14日に録音され、翌日にラジオを通じて放送されたのだった。

 では、本当に太平洋戦争が終わったのは、いつだと考えるのがよいだろうか。

 この問題に真正面からとりくみ、『八月十五日の神話――終戦記念日のメディア学』(ちくま新書、2005年)という書物にまとめたのは、メディア論の研究者・佐藤卓己氏だ。

世界的に見れば、9月2日

 同書で佐藤氏は、写真、新聞、ラジオ、教科書といった各種メディアを通じて、8月15日が終戦日であるという「記憶」がどのように形成されたのかを跡付けている。そのうえで、いわば国内向けの8月15日(終戦記念日)を尊重しつつも、国外でも通用する9月2日(降伏文書調印日)の意義を強調していた。

 『東アジアの終戦記念日』は、この『八月十五日の神話』の姉妹編である。『八月十五日の神話』が主に日本の状況に焦点を絞っていたのに対し、『東アジアの終戦記念日』では、9人の論者たちが北海道、沖縄、南北朝鮮、台湾、中国といった国内外の多様な地域における「終戦」の問題を論じている。

 「大東亜戦争」「太平洋戦争」「15年戦争」「アジア・太平洋戦争」と、さまざまな呼ばれ方をするこの戦争は、「大東亜」や「アジア」という言葉が示すように、地理的には太平洋方面のみならず、アジア諸国にも戦線が広がっていた。このように広域で展開する戦争が終わりを迎えるとき、ある日時を境にしてピタリと一斉に停止するとは考えにくい。実際には、地域や個々人によって終戦の迎え方はさまざまであったはずだ。

コメント1件コメント/レビュー

法理的な側面から終戦の日付を考察した、色摩力夫『日本人はなぜ終戦の日付を間違えたのか』という書籍が何年も前に発売されています。(2007/08/08)

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法理的な側面から終戦の日付を考察した、色摩力夫『日本人はなぜ終戦の日付を間違えたのか』という書籍が何年も前に発売されています。(2007/08/08)

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