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目の前のコイツの気持ちが分かる~『新教養としてのパソコン入門 コンピュータのきもち』
山形浩生著(評:中林武)

アスキー新書、724円(税別)

2007年8月20日(月)

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『新教養としてのパソコン入門 コンピュータのきもち』

新教養としてのパソコン入門 コンピュータのきもち』 山形浩生著、アスキー新書、724円(税別)

評者の読了時間2時間31分

 目の前のパソコンが、どんな仕組みで動いていて、どうやって情報を届けているのか?

 日々、パソコンを仕事や趣味に使っているものの、実はこの機械の中で何が行われているのか、ほとんど分からない人も多いのではないだろうか。

 もし、あなたがそのクチならば、そこらのマニュアル本を読む前に、本書を読むことをおすすめしたい。本書は、月刊誌「アスキー・ドットPC」での連載をまとめて2002年に刊行された単行本を、新書として刊行し直したもの。

 新書版あとがきで、著者は「ここに書いた内容は、我ながら感心したことにはぜんぜん古びていない」と言い放つ。どれだけ機能が増え、スペックが拡張し、あれやこれやができるようになっても、コンピュータの基礎は計算機。画像を表示するのも音楽ファイルを演奏するのも、ある数字から別の数字への変換、すなわち計算である。つまり、中の仕組みそのものは、ほとんど変わっていないのだ。

 本書は、この世帯普及率74.1%(総務省情報通信政策局「平成18年通信利用動向調査報告書世帯編」2007年3月)のブラックボックスについて、一見、無縁に思える事例やたとえ、著者の体験談を織り交ぜつつ、読者の気をそらさずに話を進めていく。

パソコンは、がむしゃらに働く女の子?

 たとえば、コンピュータが作業をこなす様子を説明するのに、1人でがむしゃらに働く女の子を例にとる。普段はのんびりと仕事をしているのだけど、人間側から急に次々と指示が出てくると、メモリーが足らずにテンパってきて、てんてこ舞いになってしまう女の子。その姿を想像すれば、一気にさまざまな作業をさせるとパソコンの動きが遅くなってしまうのも分かってくるというわけだ。

 また、プログラムについて話す際には、人間の遺伝子を引き合いに出し、周辺機器とパソコンの関係を説明する際には、夢野久作の怪作『ドグラ・マグラ』までが持ち出される。

 もう1つ、本書をユニークな書としているのは、副題にあるように「コンピュータのきもち」を捉えている点だ。それはすなわち「疎外感と孤独と虚無」だという。

 コンピュータは、愚痴もこぼせない孤独な環境で、言われるがままに多くの面倒な業務をこなしているが、誰から指示が出されているのかも、自分の作業がどう評価されるのかも、把握できない。「こんなワーキングスタイルじゃ身がもたないぜ」と、私たちなら思ってしまう。

 そんな「かわいそうなコンピュータ」に対して、私たちは何をしてやれるのか?

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