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人助けはお嫌い?~『金融NPO 新しいお金の流れをつくる』
藤井良広著(評:荻野進介)

岩波新書、780円(税別)

  • 荻野 進介

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2007年8月21日(火)

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『金融NPO 新しいお金の流れをつくる』

金融NPO 新しいお金の流れをつくる』 藤井良広著、岩波新書、780円(税別)

評者の読了時間1時間29分

 金融NPO? 耳慣れない言葉だ。それもそのはず、著者の造語であり、人のため、社会のための活動に優先的に資金を融通する、非営利の金融機関を指す。

 既存の営利金融機関との大きな違いは資金の出所である。金融当局から免許を得て、預金という手段で資金を集めることができる銀行と違い、金融NPOの資金は自分たちのヘソクリや賛同者からの出資金や寄付金。いわば「意志あるお金」なのだ。

 一方、非営利といっても、利益を度外視するわけではない。それではボランティアになってしまう。

 非営利組織と訳されるNPOも、営利組織の代表である株式会社も、英語にすれば同じ「コーポレーション」である。前者が儲けたお金をすべて組織本来の目的のために再投資できるのに対して、後者はそれができない。株主が配当という形で利益の分配を求めるからである。その結果、「公共分野への投資を目的とした金融を」といった志を掲げても、株主の圧力で、いつの間にかそれが色褪せてしまう可能性も高い。

 その点、NPOという組織形態を取れば、株主に“邪魔”されることなく、当初の志を維持できる。儲けよりも社会的意義を重視することができるのだ。

多重債務者救済、福祉、公共への寄付などにも

 金融NPOが活動するのは、地域医療や介護、福祉活動、自然環境の保全、女性や若者の起業支援、多重債務者やホームレスの再生支援活動といった公共色の強い分野である。

 本来ならば、国や自治体が財政支出によって資金を供給すべき分野でもあるが、ご存じの通り、国も自治体も大きな借金を抱え、こうした分野への支出は後回しにされがちだ。既存の金融機関も貸し倒れを恐れ、なかなかお金を回さない。そこで、個人の「意志あるお金」を社会に生かす金融NPOの出番となったのである。

 一言で金融NPOといっても、その中身は大きく4つに分けられるという。

 まずは人や事業に資金を貸し出す、文字通りの銀行としての「NPOバンク」である。昨年、ノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス率いるグラミン銀行がその代表格だろう。本書では「日本のグラミン銀行」を目指す東京コミュニティパワーバンクや、ミスチルのボーカル、桜井和寿ら人気音楽アーティストが設立したAPバンクなどが紹介されている。

 続いて、多重債務者救済のための金融NPOである。

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