• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

ネットと芝居って、似てると思いません?

柳美里、ネットとブログを大いに語る(後編)

2007年8月21日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 前回は、芥川賞作家・柳美里氏が初めて出版したブログ書籍『名づけえぬものに触れて』(日経BP社)をベースに、柳氏とネットの関わりについて語ってもらった(前回の記事はこちら)。今回は、彼女の創作活動の根源でもある演劇にまで話を広げ、ネットを使った表現の可能性について聞いた。

(聞き手は、「日経エンタテインメント!」別冊編集長 小川仁志)

小川:ネットやブログでは、文字数の制限がないのはもちろんのこと、横書きだったりしますよね。純文学作家の柳さんにとって、そういった書式の違いに、違和感は覚えませんでしたか。

柳:特になかったですね。私にとっては、「どこに書くか」というのが非常に大きなウエートを占めていて、例えば「週刊朝日」で連載していた『家族の標本』(朝日新聞社)は3枚弱、毎日の新聞小説だと2枚、「週刊ポスト」の『命』(新潮文庫)は20~30枚など、書く場所によって文字数が変わるのはもちろんのこと、どういう読者層に向けて書くのかということを、ちゃんと考えてから書き始めていました。

7月に自身初の“ネット発”ノンフィクションを出版した柳美里さん (写真:中川 真理子)

 同じ紙媒体であっても、週刊誌と文芸誌ではおのずと違ってくるものだし、それによって、形式が変わるのは、自然に納得がいきます。だから、ネットにはネットに向いた書き方で、それに合わせて、読者が読みやすいように書ければいいと思っています。

 ちなみに雑誌って、どんなに大部数でも「特定少数」というか、ある程度、読者数が見えているじゃないですか。ネットは「特定多数」で、何かの瞬間にうわっと化けて、10倍20倍の読者がつく可能性がある。そういうのは、雑誌にはない“可能性”ですよね。

小川:確かに。柳さんは、11年ぶりに芝居の公演の実現を目指す過程を描いたブログ連載「青春五月党2007」(ブログ連載はこちら)を始めました。

柳:はい。もともと私は、小説家になる前に芝居をやっていたんです。

 16歳の時に高校を中退し、東由多加(注1)が主宰していたミュージカル劇団「東京キットブラザース」に入団、女優を目指した後、18歳の時に演劇ユニット「青春五月党」を立ち上げ、1996年までの間に10本の芝居を書いています。

注1:東由多加氏は、1980年代に一世風靡したミュージカル劇団「東京キッドブラザース」の主宰者。2000年4月20日、食道ガンのため死去。柳美里氏の長きにわたるパートナーで、柳氏の代表作の1つ『命』には、東氏と過ごした最後の10カ月が克明に記されている。

今考えれば、ひどい鬱状態だったんですね

柳:「名づけえぬものに触れて」を書き始めた2004年から昨年の夏頃まで、ずっと引きこもっていて――今考えれば、ひどい鬱状態だったんですね――という時期が続いていたのですが、『月へのぼったケンタロウくん』(ポプラ社)を書き始めたあたりから、だんだん復調してきたんです。秋頃には、「2007年は5月に執筆活動20年を迎えるし、何か新しいことをやってみたい」という前向きな気持ちになってきました。そこで、今までおつき合いのなかった出版社で仕事ができないかなと。

 以前、「名づけえぬものに触れて」に関して初めてインタビューを申し込んできた日経BP社の平島さんに連絡を取ったところ、彼女の上司が、昔、私の芝居を見てくださっていた小川さんだった。「ネットで連載を」という話になった時……確か、小川さんでしたよね? 「柳さん、もう芝居はやらないんですか」とおっしゃったのは?

小川:そうですね(笑)

柳:お芝居を辞めたわけではなかったのですが、小説の方が忙しくなってしまい、お休みしていたら、10年以上も経っていました。でも、「またやりたいな」という気になっていたところだったので、タイミングがちょうど合ったというか。

小川:ネットという場所で、芝居という題材を描かれることについては、どう思いますか。

芥川賞受賞作『家族シネマ』から10年、
ベストセラー『命』から7年――。

 柳美里さん、初の“ネット発”ノンフィクション『名づけえぬものに触れて』(日経BP社、1575円(税込))が出版されました。

 断筆に近い状態だった2004年1月から翌2005年7月の間、自殺したファン<らばるすさん>やネット上の<名づけえぬ>人々に宛て、ブログだけで語り続けた、超本音の549日間。<らばるすさん>の遺志を受け、仲間と共にホームページを立ち上げた柳美里さんが、ネットユーザーと真摯に向き合いながら、自身の日常を赤裸々に語っています。

コメント0

「柳 美里の「ネット以前、ネット以後」」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

グローバル市場でいい仕事をしたければ、まず「世界に通用する見識」を磨くことだ。

中谷 巌 「不識塾」塾長、一橋大学名誉教授