• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

シェークスピア演劇と日本政治の喜劇

  • ブルース・ホルコム

バックナンバー

2007年8月22日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 日本で起業したとき、自分の国ではないこともあり、私には分からないことだらけでした。ある年配の日本人で財界の方に、よく助言をしていただきました。ある日、彼が日本の政治について言ったことが、今でも鮮明に記憶に残っています。

 「国会に出ている連中は背広を着ている侍に過ぎない」。

 おそらく政治の派閥の仕組みと将軍と家来の関係を比べて、皮肉的な表現をしたのだと思います。「日本人は個を強くしないといけない」というのはもう一つ彼がよく口にしたことです。

 このごろ全国民の前で披露されている自民党の喜劇を見ると、シェークスピアの演劇の要素が揃っています。血縁で王様になった男はその器ではなく、そのくせ何もなかったかのように王座に居座ります。ようやく勢力をつかんだ家来の1人は、スキャンダルに追い込まれて、自らの手で命を奪い、悲惨な結末となります。

 次に舞台に出てきたのは、シェークスピアの演劇によく出てくる道化役です。その役割を立派に演じて庶民を笑わせます。その間王様の座を狙っている歴戦の勇士は、作戦を練りながら、自分が舞台に出る番を静かに待っています。

 もし演劇だとしたら、とても面白い話です。しかし事実としては、あまりにもみっともないと思います。選挙後にテレビ朝日の「報道ステーション」で、石破茂元防衛庁長官が道化の役割を演じた農林水産大臣を「実に優れている政治家だ」と残念そうに言っていました。今の多くの政治家の常識は、普通の世の中の常識とあまりにもかけ離れています。驚いたイタリア人のように「mama mia!」と言いたくなります。実際、私はよく言っていますが。

 あくまでもある異邦人の個人的な意見ですが、日本の政治を21世紀に見合ったものにするために、少なくとも2つの「改革」が必要だと思います。システムだけでなく、「人間の改革」です。

 第一に個の強い人を政界に誘致する必要があります。小泉さんは自民党の派閥をほとんど壊してしまったのですが、それでできた空白に「個」のある政治家がなかなか入ってきていないようです。世襲が多いとそういったような政治家がまれにしか育たないのです。業績を上げた弁護士や実業家などを各界からどんどん政界に取り入れるのが急務だと思います。

 それを実現するために、まず政治家の「雇用条件」を大幅に改善してはいかがでしょうか。その前例があります。最近シンガポールで政府が政治家の給料を大企業の社長並みに上げました。すばらしい考えだと思います。今の政治家の給料を倍増してもいいのです。

 その反面、有権者の不信を防ぐために横領や不祥事を起こした場合には、非常に厳しく罰して政界から直ちに追い出すことが不可欠です。今まで極めて自分たちに甘い日本の政治家たちが、きちんとしたコンプライアンス(法令順守)のシステムを実施できるかどうかはやや疑問に思うのですが、試みるに値すると思います。

コメント0

「生きる~ニッポンの風に吹かれて」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

意外なことに、伝統的な観光地が 訪日客の誘致に失敗するケースも 少なからず存在する。

高坂 晶子 日本総合研究所調査部主任研究員