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夫が妻に捨てられる理由

「性格の不一致」とは「お互いの不機嫌」

  • 山崎 雅保

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2007年8月23日(木)

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 「冗談じゃない。調停なんて、俺はぜったい出ないからな! バカにするんじゃない」

 N子さんが調停を申し立てたと知った瞬間、夫は怒りをあらわにして激しく反発しました。50代半ばのN子さん。夫は3才ほど年上です。同居していた夫の両親はすでに他界。子ども3人のうち2人は自立し、残っているのは末っ子の大学生のみ。事実上夫婦2人の生活となってから軋み続けている夫婦関係を改善したくて、N子さんは円満調停を申し立てたのでした。

 円満調停。離婚調停ではありません。元の円満な夫婦関係を回復するために話し合いをするものです。そうと知ってもなお、夫は頑固に反発。誰がどれほど説得しても、頑として拒みました。

 夫が反発するだろうことは、N子さんも想定していました。
「あの人、拒絶するでしょうね。けれど私の覚悟を強く示すために申し立てます」

 結果を見れば彼女の戦略は奏功。「高をくくっていたら、今度こそ離婚調停かも知れない」と、夫はN子さんの覚悟を思い知ったようでした。その後も妻に対して嫌味を言ったり不機嫌な態度で接したりする夫の態度は変わりませんでしたが、それでも少しずつN子さんへの配慮を見せるようになりました。

 数年前、N子さんがボクのカウンセリングに訪れた時は、離婚へ踏み切る覚悟でいました。けれどギリギリのところで踏みとどまったN子さんに、ボクは納得しきれない気分でたずねました。

「妻として尊重せず、嫁としての役割だけを要求する。加えて貴女を蔑むことで自分の優位を保とうとする夫。これほどないがしろにされていて、なぜ離婚しないんですか?」

 N子さんの答えは曖昧でした。「子ども達の結婚や就職を考えると、ここで離婚するのは損だから」とも言いました。

 けれどボクは思います。本当のところは夫に対する愛情だったのでしょう。長い歳月1つ屋根の下で暮らした夫に少しでも愛されたくて、結婚生活を諦めることができなかったのだと思います。

 円満調停後のN子さんは、少しでも心地よい夫婦になろうと工夫を重ねています。一方の夫は、十分に反省しているわけではありません。

 N子さんは言っています。
 「遠くはない定年。そのときになっても嫌味で不機嫌な夫のままでいるのなら、離婚します。子ども達がみんな独立した後まで、愛されないまま我慢している理由はありませんから」

 夫婦のアレコレをつづった『未熟な夫』シリーズを上梓して以来、以前にも増して多くの「夫婦の悩み」におつき合いするようになりました。おかげで、ボクは「夫婦という間柄」についてたっぷり考えさせられています。

 当初は呆れました。なんとたくさんの妻たちが夫に幻滅し、離婚を望んでいることか。夫婦間にある“お互い様”の部分を割り引いてみても、ワカランチン過ぎる夫のなんと多いことか。

 「そんな夫だったら、即刻離婚しましょう」
 そう言いたくなっちゃうケースばかりでした。

コメント3件コメント/レビュー

筆者はカウンセラーとは言え、これほど女性の気持ちを代弁していただくと「うんそう、そう。」と思わずうなずいてしまいます。身内や他人が話を聞いて、10人中10人が「それは、離婚以外に考えられない。」と言われても、離婚しない女性もまた多いのです。でも、悲しいかな、それに気づかない男性もまた多いのです。男女の関係は昔から平行線なのかもしれません。ただ、真の幸せカップルは一握りで、それは男女ともお互いに、思いやりと尊敬を持って接しているからでしょうか。(2007/08/23)

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筆者はカウンセラーとは言え、これほど女性の気持ちを代弁していただくと「うんそう、そう。」と思わずうなずいてしまいます。身内や他人が話を聞いて、10人中10人が「それは、離婚以外に考えられない。」と言われても、離婚しない女性もまた多いのです。でも、悲しいかな、それに気づかない男性もまた多いのです。男女の関係は昔から平行線なのかもしれません。ただ、真の幸せカップルは一握りで、それは男女ともお互いに、思いやりと尊敬を持って接しているからでしょうか。(2007/08/23)

世の中狭しと云えども、色々な夫婦が居るものだと感心しました。私は結婚する時の条件としてお互いが結婚しても恋人同士の様な関係で居ようと互いに言い聞かせながら現在に至っています。しかし現実はそんな奇麗事では済みませんね、結局結婚とは「妥協」に尽きると云う事です。もちろん片側だけの妥協はなり立ちませんので双方だ妥協し合って成り立っているところでしょう。しかしその妥協を出来ないのならその人は結婚をしない方が良いのでは無いかと思える節も私はあるのではないかと考えさせられる様にこの内容を見て尚強く思えました。(2007/08/23)

酷い状況でも離婚しないのは、愛情のほかにもっと別の心理があるように思います。特に虐げられ続けている人は、人に対する不振と恐怖が心に深く根を張る。そして困難に立ち向かのに必要な前向きな心や自信も壊されてしまう。離婚しない理由となる愛情とは、夫に対するものではなく、自分の人生に対する意地にも似た愛情かもしれません。(2007/08/23)

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