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自分の都市の大気汚染に涙を流した生徒

  • 荒瀬 克己

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2007年8月30日(木)

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 8月初めに「国際青少年環境みらい会議2007 in Kyoto」という催しがあった。京都市が、姉妹都市提携事業50周年のプレイベントと、気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)の10周年記念事業として開催したものだ。

 パリ(フランス)、ボストン(米国)、キエフ(ウクライナ)、ザグレブ(クロアチア)、ケルン(ドイツ)、西安(中国)、グアダラハラ(メキシコ)、フィレンツェ(イタリア)、プラハ(チェコ)、そして京都。10都市の高校生22人が、それぞれの学校での取り組みや各都市の環境行政について紹介し、議論を交わした。

企画や運営も生徒たちの手で

 当初、教育委員会を通して入った依頼の内容は、会議に出席する生徒をピックアップしてほしいということだけだった。「当日の出席だけだからそんなに負担にはならないし、いい経験になるでしょうから」。

 「ウーン、ちょっともったいないな。せっかく高校生が集まって環境問題について話し合うなら、企画や当日の運営を生徒がするというのはどうですか。アピールを採択することにもなるだろうから、その文案も生徒が考えて会議に諮る方がいいと思いますね。だいたい当日の参加だけなら、活発な議論にならないかもしれないでしょう。事前に共同で何かに取り組んで、交流を経験したうえで会議に臨む、という形にした方がいいように思いますよ。手間はかかるけど、生徒にとってはいい経験になる」

 「なるほど、それは面白い。担当部署に、そのように伝えましょう」

 昨年の夏、京都で行われた全国高等学校総合文化祭で、企画、準備、運営に携わった高校生たちがたくましく成長する姿を見たばかりだった。私は前年に役が回ってきて関わっただけだったが、初めのうち頼りなげにしていた参加生徒が、取り組みを進めるにつれて変化していくのを、こんなにもしっかりとしていくのかと驚きながら見ていた。実際に取り組むことの経験が若者を育てる。

 企画の担当をしていた京都市の国際化推進室は、すぐに同意してくれた。学校で教頭と担当する教員に概略を確認した。「3本柱でいこう。運営と実験と報道。運営は企画、進行管理、アピールの文案作成。参加する他校の生徒との連絡調整もある。実験は内容を考えてほしい。実験自体にも意味があるし、かつ会議の事前交流につながるようなもの。報道は新聞部に。この取り組みを取材して、生徒全体が共有できるように報道してほしい。それと、姉妹都市の高校生のホームステイ先も確保しなければならない。よろしく」。

環境問題の実態を科学的に把握する

 本格的に動き出したのは5月になってからだった。運営に参加する生徒を募る。代表が決まる。話し合いが始まる。本番まで3カ月。

 実験は自然科学部の担当。各都市から雨水を持参してもらい、汚染の度合いを計測することになった。100ccの容器を郵送する。航空会社や税関への対応は京都市に依頼する。「実験班は2つのことを行います。環境問題を感覚的にとらえるのでなく、計測することによって科学的に実態を把握する、というふうにしたいと思っています。まず各都市の雨水のイオン濃度と二酸化窒素濃度の分析、そしておみやげにもなるように簡易計測器を製作します。実験の際には、各都市の高校生に、うちの生徒を1人ずつパートナーとしてつけます」。

 「新聞は、昨年の全国高等学校総合文化祭と同じように、メディアセンターを開設して速報版の作成に当たります。もちろん日本語と英語、両方です。会議で採択されたメッセージを掲載した最終版は、後日京都府内の小中学校にも配ることにします」
 運営スタッフの活動も連日続いた。受け入れ態勢、昼食時の交流行事、会議の進行、メッセージ案、国旗入りのネームプレート、共同実施する他校との打ち合わせ等々、実験と報道以外のすべては運営スタッフの担当だ。

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