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ホノルルより南にある東京都 ~『東京の島』
斎藤潤著 (評:島村麻里)

光文社新書、740円(税別)

  • 島村 麻里

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2007年9月5日(水)

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『東京の島』

東京の島』 斎藤潤著、光文社新書、740円(税別)

評者の読了時間1時間45分

 正直に言おう。ぼくは東京の島々、特に伊豆諸島をこれまでみくびっていた。

 こんな書き出しで始まる本書は、著者による光文社新書「島」シリーズ第3弾である。これまで日本の島々をくまなく歩いてきたはずの著者が、今度は、「行こうと思えばいつでも手近に行ける」がゆえにみくびっていたという、東京の島々に挑んだ。

 東京の南海上約120キロに位置する大島、約1000キロ離れた小笠原諸島の父島、そして名古屋あたりから真南に約1700キロ、ホノルルより南に位置する沖ノ鳥島。いずれの島も東京都に属しているという事実にまず驚く。なにしろ東京の島全体で、日本の海の約半分をカバーしているのだ。

 著者のアイランドホッピングは、硫黄島から始まる。C・イーストウッド監督の映画などで話題的にはタイムリーだが、ここは特別許可がないと上陸できない、自衛隊の島。著者は、小笠原村が主催する訪島事業の船旅に参加する。

幻の焼酎、椿、石、秘密の温泉…

 硫黄島の激戦は多くの島民の命を奪い、人々に強制疎開を強いた。1968年に小笠原諸島が米国から日本に返還された後も旧島民の帰島は許されておらず、年1回、小笠原の父島からふるさと訪問の船が出る。硫黄島と父島、同じ東京都に属しながら、ふたつの島の心理的距離がどれだけ隔たっていることだろう。

 東京の島巡りは続く。「幻の芋焼酎」が造られる青ヶ島。全島の8割を椿が覆う利島。世界じゅう探しても他に採れるのはイタリアのある島だけという、コーガ石の建築物で溢れる新島。ズブズブの観光案内かと思って読んだら大間違い、本書の多くの部分で島々の多様な産業に焦点が当てられる。

 その島だからこそ耽ることのできるお楽しみについても詳しい。日本でただ1カ所、砂漠のある大島。潮の干満に応じて湯壺を選びながら入る「秘密の温泉」@式根島。いやあ、海水浴と海の幸、くらいしか連想してこなかった身(評者だ)を恥じる。伊豆諸島だけを眺めても、東京の島々がいかにマルチカルチュラルであることか!

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