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第6回 端渓硯とその値段

漱石の『坊っちゃん』が呆れた鬼瓦大の端渓

  • 奥本 大三郎

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2007年9月4日(火)

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 「硯を一面だけ買うとしたら、どんなのがいいでしょう」

 とよく訊(き)かれる。

 そんな時は、「やっぱり端渓ですね」と答えることにしているが、この「やっぱり」にはさまざまな思いがこもっている。

蕉葉硯(しょうようけん) 端渓石 清代 縦11.3×横7.1×厚さ1.3cm

蕉葉硯(しょうようけん) 端渓石 清代 縦11.3×横7.1×厚さ1.3cm

 一体、端渓とはどんな硯なのか、日本人はいつから、この中国産の硯を手に入れることができるようになったのか、少し考えてみたい。

 小説の中に端渓硯が登場する、その一番有名な例は、夏目漱石の『坊っちゃん』であろう。

 主人公は四国あたりの中学校の教師で、東京から赴任してきたということになっている。独り者だから宿屋に下宿しているが、その宿の亭主が何かというと「お茶を入れましょう」と言って部屋に入ってきては、勝手に他人(ひと)の茶を飲む。

 亭主は、書画骨董が好きで、「とうとうこんな商売を内々(ないない)で始めるようになりました」と言いながら「坊っちゃん」に骨董を買わせようとするのである。最初は印材。十ばかり並べて、「みんなで三円なら安い物」と勧める。

 昔の人は、多少のインテリなら誰でも揮毫(きごう)する、あるいはさせられる機会があるから、それに落款がない、というわけにはいかない。だから印を彫ってもらう、あるいは自分で篆刻(てんこく)をする。印材はその材料となる石である。

 坊っちゃんが断わると、その次には鬼瓦ぐらいもある大硯を担ぎ込んできた。

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