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『サザンな大人たち』が世界に蔓延中

~年齢不詳のオジサン世代、心は青春、見た目は…?

  • 和良 コウイチ

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2007年9月12日(水)

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サザンな大人たち

サザンな大人たち』クラウディウス・ザイドル著、畔上司訳、主婦の友社、1600円(税抜き)

 チョイワルだかアデージョだか知らないが、30代後半から40代の「若い大人たち」が増殖している。ある程度の年齢になっても外見を磨き続け、自らの性的魅力を手放さず、パーティやコンパなど出会いの場を心待ちにするといった彼ら彼女らが、日本に限らず、ヨーロッパにも蔓延しているらしい。

「たしかに毎日楽しい生活さ。でもどうして悲しくなるのかなぁ? こういう生活は本来三〇歳の連中の生活だなんてどうして思うんだろう?」「二五歳の生活よ」と女房は応じた。「でもこれと違う生活をしたら、もっと悲しくなるはずよ」

 著者はドイツ人ジャーナリスト。『サザンな大人たち』の書名は、原題(『Schone junge Welt』、「素晴らしき若者世界」あたりが直訳か)とはまったく異なり、サザンオールスターズの桑田佳祐をイメージして日本の版元が名づけた。

 本書は、自由気ままに生きているように見える彼ら彼女らのライフスタイルを、ただ賛美したり否定したりしているのではない。著者自身がそうであるように、実は戸惑いを抱えながら生きているところも率直に綴っており、そうであるしかない自分たちの姿をいくぶん悲しげに描写しているのだ。

ポップスCD購入者の平均年齢は…

 「若い大人たち」が増殖しているという事実は、たとえばドイツではポップスのCD購入者がついに平均40歳になったというマーケットの数字にも表れている(若者はネットでダウンロードするのだろう)。これは、まったく新しい事態なのだと著者は主張する。

 ポップカルチャーは、当初は「性的成熟」と「真剣な就職活動」とのあいだの「短期間の祝典」にすぎなかった。ポップカルチャーは、その瞬間をはてしなく延長しようとする試みではなかったのである。

 青春時代が終わりを告げるのが何歳か、それが今ほど不明瞭な時代は過去に一度もなかった。

 果たして、青春時代は本当に終わらないのか。

 評者の私もまさに30代後半の「若い大人たち」の世代である。マスコミ業界には年齢不詳の輩が多く(たいがい実年齢よりも若く見られる)、私もその1人らしい。年齢を告げたときの相手の反応には、慣れっ子である。

 だが、もはや若く見られることは微妙だ。それは嬉しさ反面、「若さ」や「新しさ」などの価値を偏重し続けてきた自分の内面の「幼さ」が表出しているのではないかと、いまは疑ってかかっている。

 三五歳や四五歳になっていながら大人にならないでいるのは、別に特別偉いことでもないし、勇気や独創性が必要なことでもない。しかし、現在五〇歳未満の人が全員、まったく未知の領域にいることに間違いはない。彼らは、新たなライフスタイルをゆっくり探るように開拓しているのであり、人によっては少し不安な思いで前進しているのである。(中略)ただし一つだけ、たしかなことがある。それは全員が「若々しくなければいけない」と考えるようになったことだ。

 「若さ」を肯定的にとらえるか、否定的にとらえるのかは、人それぞれの価値観による。ただ、「若さ」に取りつかれることは、不幸だと思うのである。「若さ」に固執すること自体が、すでにそれが失われることへの強烈な危機感の裏返しだからである。

コメント3件コメント/レビュー

江戸時代、日本人の風習は、ちょんまげ(禿頭の状態)、着物(おなかが出ていないとしっくりこない)、お歯黒(年取って歯が抜けた状態)のように年長者に合わせていた。従って若者は年を取って風貌が衰えていくことに抵抗を感じることなく内面の修練に専念できた。 しかし、現在は若者の容貌に合わせて価値観が形成されている。従って自分の若々しさが失われていくことに恐怖感をおぼえ、老化を防ごうと必死になり、内面を磨くだけの余裕がない。 そして子供に合わせた価値観はそのまま社会を「幼児化」していく。 今のようになるのは私から見ると当たり前だ。(2007/10/03)

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江戸時代、日本人の風習は、ちょんまげ(禿頭の状態)、着物(おなかが出ていないとしっくりこない)、お歯黒(年取って歯が抜けた状態)のように年長者に合わせていた。従って若者は年を取って風貌が衰えていくことに抵抗を感じることなく内面の修練に専念できた。 しかし、現在は若者の容貌に合わせて価値観が形成されている。従って自分の若々しさが失われていくことに恐怖感をおぼえ、老化を防ごうと必死になり、内面を磨くだけの余裕がない。 そして子供に合わせた価値観はそのまま社会を「幼児化」していく。 今のようになるのは私から見ると当たり前だ。(2007/10/03)

共感した。同じような人がいるのか、と。以前、こういうのはモラトリアムといわれたような気がする。もっと若い世代、青春期の中途半端で責任の無い状態にいつまでもとどまりたいという思考行動様式。自分自身がまさにそうだったし、今もそうだ。もちろん結婚はしない、家庭や子どもなんて重荷をわざわざ背負う気にはならない。自由を縛る足かせとしか思えない。収入も時間も全部自分だけのために使える。だけど、これでいいのだろうか、という思いも常にある、ずっとモラトリアムのまま、そのうち老いぼれる。ただ、世間がよしとするような生活を送ったところでやっぱり虚しいのは同じ。つまりどの道をたどったところでどこかで虚しさと折り合いをつけていかなければならない。人生ってつまりそういうことなのかも。(2007/09/12)

なんとなく じわじわ わかる気がします。(2007/09/12)

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三品 和広 神戸大学教授