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ゲーム専門誌・専門サイトが現実から乖離していく

2007年9月7日(金)

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 いま、ゲームビジネスの未来を見通すうえで、もっとも注意しなければならない点をひとつ挙げろといわれたら、次のように答えます。

 「熱心なゲームファンに、これから何が流行りそうなのかを聞いてはいけません」

 10年前ならば、「熱心なゲームファン」に話を聞けば、人気の出そうなゲームがある程度判断できました。しかし、いまは多くの新規ユーザーが増えました。このため、熱心なゲームファンが求めているゲームと、市場で実際にヒットするゲームは大きく乖離しつつあります。

 これを受けて、ゲーム専門誌やゲーム専門サイトなども、少しずつ現実と乖離しはじめています。

 熱心なゲームファンをターゲットにして作られている商業メディアは、熱心なゲームファンのための記事を作らなければならないため、むしろゲームビジネスの現状を正確に反映できなくなりつつあるのですね。熱心なゲームファンではない人を主体に100万本ヒットしたソフトよりも、熱心なゲームファンを主体に10万本売れたソフトを、より大きく取り扱うようになっている、ということです(注:これは昔からそうなのです。ただし昔は、全ユーザーの中での熱心なゲームファンの比率が高かったため、これで問題なかったのです)。

アンケート結果と現実の乖離

 データからも明らかです。「2007CESAゲーム白書」には、社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)が、東京ゲームショウ2006の来場者の方に実施したアンケート結果が掲載されています。「好きなゲームジャンル」という調査では、ナンバーワンはロールプレイングゲーム(70.8%)でした。続いてアクション(47.5%)、アドベンチャー(32.4%)、シューティング(26.0)、戦略シミュレーション・ストラテジー(25.7%)という順です。これが「イベントにも足を運ぶような熱心なゲームファン」たちの人気ランキングです。

 これは実際のソフト売り上げとは合致していません。たしかに、同書にあるジャンル別年間販売本数によると「ポケットモンスター ダイヤモンド・パール」を抱えるロールプレイングゲーム(RPG)がトップ。続いて「Newスーパーマリオブラザーズ」のヒットもあり、アクションゲームが2位となっています。しかし、ちょっと調べてみるだけで、そこには大きな落とし穴があることがわかります。

 たとえば「nintendogs」「おいでよ どうぶつの森」「脳を鍛える大人のDSトレーニング」などの超ヒットソフト。これらは従来のジャンルに分類されていないため、統計上すべてが「その他」というカテゴリーに入っているのですね。RPGの売り上げがトップなのは、これらのソフトの売り上げを無視したうえでの結果に過ぎません。熱心なゲームファンを対象にしたアンケートが、徐々に現状を反映しなくなっていることがわかります。

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「ゲーム専門誌・専門サイトが現実から乖離していく」の著者

野安 ゆきお

野安 ゆきお(のやす・ゆきお)

ゲームジャーナリスト

ファミコン時代からゲーム業界に参加。1000本以上のソフトを体験し、100冊を超えるゲーム攻略本制作に参加している。ゲーム雑誌編集部、編集プロダクションを経て、現在はフリーランスとして活動中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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