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ガイアの復讐を迎え撃つには環境コンシャスこそを

『ガイアの復讐』ジェームズ・ラブロック著 秋元勇己監修 竹村健一訳 中央公論社刊1600円(税抜き)

  • 松島 駿二郎

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2007年9月14日(金)

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『ガイアの復讐』ジェームズ・ラブロック著 秋元勇己監修 竹村健一訳

『ガイアの復讐』ジェームズ・ラブロック著 秋元勇己監修 竹村健一訳

 地球は生きている、という言い方はことさら目新しいことではない。ギリシャ時代からそれをほのめかす言い方はいくらでもあった。

 でも、地球全体を1つのシステムとし、物理、化学、生物、人間といった多くの構成要素と考え、それがシステマティックに連動しているという考え方=これがまさにガイアだ=は1972年に「ガイア仮説」にまとめ上げたのが、本書の著者ラブロックだった。

 そもそもの始まりはアポロ宇宙船が月に到達し、そこから美しく、鮮明な地球の写真を地上の人類に送りつけて来たことだった。人類は自らが住む地球像に大感激をした。無辺の空間にぽっかりと浮かぶ地球は、まるで生きた有機体ではないか、と感じ始めた。

 この考えに、汚染された地上の環境に関心を持ち、我らの地球は病みつつあるのではないか、それもそこに住む人類の手によって。そして、きわめて環境コンシャスな考え方「ガイア仮説」が生み出された。

 ラブロックによれば、およそ10万年前に一握りのヒトの集団が、動物を追い込むために森林に火を付けたことがすべての始まりだという。無精だが効率的な方法だった。狩猟の捕獲量は飛躍的に増えた。そして森林は焼けただれた地肌をさらすようになった。ヒトはこの時点で地球の破壊に着手したわけである。

 効率がさまざまな分野で優先され、現在21世紀の文明社会は築き上げられた。ガイアはその過程で酷く病んでしまった。ガイアは瀕死寸前であり、特効薬を開発する望みはほとんどない。たとえば海岸や草原に林立する風力発電の風車にしても、小さな擦り傷にバンドエイドを貼り付けるほどの効果しかない。ガイアは何十億という、ヒトという名のばい菌に取り付かれ、蝕まれ続けている。

 ガイア理論は物理学者や化学者、生物学者たちの激しい非難を浴びてきた。どの学問分野にも共通していえることだが、いずれも細密化した分野での議論に終始している。トータルで、ホリスティックな目で見ることになれていない。ガイアの惨状は目に入ってこないのだ。

 ラブロックはいまこそ、核融合によるきれいなエネルギーを手に入れなくてはならない、という。コントロールされた水爆のエネルギーだ。それは太陽から降り注がれるエネルギーに他ならない。諸悪の根元は、太陽エネルギーの効率的な運用を、ヒトが作り出す二酸化炭素が妨げていることだ。

 いま、二酸化炭素の温室効果で地球の温暖化が始まっている。それこそが、ガイアをさんざん傷つけ、瀕死の状態にまで陥れたヒトへのガイアの復讐なのだ。

 炭酸ガス入りのビールでも飲んで、考えることにするか。

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