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「関係ねぇ!」って何回言った?~『「狂い」の構造 人はいかにして狂っていくのか?』
春日武彦・平山夢明著(評:朝山実)

扶桑社新書、720円(税別)

2007年9月19日(水)

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評者の読了時間3時間00分

『「狂い」の構造 人はいかにして狂っていくのか?』

「狂い」の構造 人はいかにして狂っていくのか?』春日武彦・平山夢明著、扶桑社新書、720円(税別)

 「でも、そんなの関係ねぇ!」

 という、お笑い芸人のギャグが流行っている。たまたま目にして以来、ワタシも妙にやみつき。どんなモヤモヤも「関係ねぇ!」と、面倒をまとめて全部突き放してしまうんだよなぁ。

 と、一応は小理屈をつけるものの、惹かれる根拠は自分でもイマイチわからない。それでも顔面に力をこめ激しく拳で地面をぶったたくフリには身体的快感がある。

 そんなことを考えていたときに、この本だ。

 精神科医の春日武彦と、ホラー作家の平山夢明の2人が、サブタイトルにあるように「人はいかにして狂っていくのか」をテーマに対談している。

 精神医療が話題の中心となれば繊細な気配りが必要とされるが、春日氏は本書をプロレスの悪役レスラーにたとえ、型破りな本であることを口上にて強調している。

 つまり、自主規制せず、言いたい放題が「売り」。良識ある読者からは「不謹慎だ」「けしからん」とお叱りを受けかねない「放談」も散逸しているが、型破りだからこそ、気づかされる発言も混載している。

 たとえば、パチンコに熱中して、赤ん坊を死なせてしまう未熟な両親から、借金苦の自殺者、食品のトラブルにシャッター商店街、さらにはアメリカの大量殺人鬼まで、昨今の理解しがたい事件や現象に共通しているものは何か?

 当事者が「面倒くさい」と判断を投げ出してしまっている点にある。

暴力夫から離婚するのも「面倒くさい」

 優先すべきものが何かの整理がつけられず、欲望のままに、あるいは何も考えず、思考停止状態。「面倒くさい」の一言から、「狂い」ははじまっていくと警告する。

 臨床医の経験のある春日氏は、ドメスティック・バイオレンスの相談を受けた例をあげている。相談者の多くは、解決に向けた具体的なアドバイスをしても、うなずき、「よく考えてみます」とは言うものの、暴力夫から逃れるための行動を起こそうとはしない。

〈結局、絶対離婚しない。離婚するとなると、また手続きが大変だとか、しばらくスーパーのレジ打ちで生活費稼がなきゃとかね、そういうことを面倒くさいと感じるんだよね〉

 ここでも「面倒くさい」がキー。度重なる夫の暴力と、離婚の手続きの手間。両者を天秤にかけ、「やさしいところもあるから」と決断を先送りするのは、冷静な第三者の視点からすれば、バランス感覚が壊れていると言わざるをえない。

 「面倒くさい」と対をなすのが、「前は大丈夫だったんだけど」。バイクのヘルメットケースに1歳児を入れて死なせた事件も、何度も繰り返していた結果だとみる。

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