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(11)組合が弱体化した高経年マンションに救いの手

  • 山岡 淳一郎

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2007年9月26日(水)

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 多くのマンションは「管理組合の理事長、理事のなり手がいない」という共通の悩みを抱えている。「自分の資産を自分で守る」ためには維持管理を業者任せにはできない。とはいえ、住民は、皆、仕事が忙しく、「理事は輪番で」となりがちだ。

 築後20年、30年が過ぎると、住民の高齢化が進み、リーダーシップを発揮できる人がさらに減る。そこで危機感をバネに自立性を取り戻せばいいが、住民の関心の薄さが内なる障害となり、管理組合が形骸化すると、赤信号がともる。

 管理組合が機能しなくなったときに、待っているものは何か。悪徳管理業者のカモにされるのだ。

弱体化した組合にくい込む悪徳業者

 例えば荒れたマンションに言葉巧みに取り入った管理業者は、息のかかった工事業者に次々と発注し、不必要な修繕をくり返す。住民側が「熱心に管理してくれている」とありがたがっている裏で修繕積立金をどんどん取り崩す。住民側が気づいてクレームをつけると「管理費の値上げ」を通告してくる。

 「冗談ではない。ふざけるな」と縁を切る。ところが相手は一枚も二枚も上手なのだ。管理組合に契約解除を言わせるために「管理費の値上げ」を告げ、オサラバしようとの魂胆。住民側が切ったつもりが切られている。自由の身となった管理業者は新たなカモに狙いを定める。

 管理会社が極端な管理費の値上げをもちかけてきたら、要注意だ。

 管理組合の理事たちは、いわばマンションの「防人(さきもり)」である。その人材が払底したら、いったい、マンションの将来はどうなるのか……。

理事長、理事を派遣する支援グループがある

 NPO法人福岡マンション管理組合連合会(福管連)は、会員の管理組合に対して「助っ人」の理事長や理事を派遣するサービスに取り組んでいる。現在、450の管理組合、3万戸が福管連に加入。顧問弁護士の無料法律相談から一級建築士による建物診断、滞納管理費の回収支援など「公(官)」でも「私」でもない、新たな「共」の支援を展開中だ。

 福管連専務理事の畑島義昭さん(65)は、Aマンション(ファミリータイプ約100戸・築30年)とBマンション(ワンルーム約40戸・築20年超)2つの管理組合の「助っ人」理事長を務めている。自身のマンションでも理事長。同時に3つの管理組合をまとめる手腕は、大勢の信頼を得ている。

 畑島さんがAマンションの臨時理事長になったのは昨年の6月。就任の事情は、いささか複雑だった。そのマンションでは、過去に特定の工事業者に発注が集中していたことから、理事会が紛糾。前任理事長の情実が絡んだ発注ではないかと、理事会の中から「不正追及」の声が上がった。これへの反発も激しく、理事会は延々と話し合いが続くばかりで維持管理に係わる大切な決定ができなくなった。中間派も事態を収拾できない。福管連に、しばしば相談が寄せられた。そして「中立の立場でコトを収めてほしい」と畑島さんに火消し役の声がかかったのだ。

   第三者が理事会の役員に加わるには、まずマンションの管理規約を改正しなくてはならなかった。 役員は「現に居住する区分所有者」と資格が定められているが、追加条項で「マンション管理の実務経験豊富で、専門的知識を有する者が理事会の推薦を受け、住民総会で承認されれば役員に選任される」といった趣旨の規定が盛り込まれた。畑島さんは語る。

 「私の理事長就任が諮られた総会は、荒れましたねぇ。皆さん、理事会に第三者を迎える点では合意していましたが、理事長となると意見は割れる。そりゃそうですよ。その場では、正直言って、うんざりしました。でも、逆に第三者が行かないと、これはもう収拾がつかないな、とも……。理事長に就任して、まっ先に申し上げたのは、任期は1年、居座るつもりはない。あくまで理事会の運営支援で係わる。理事会を軌道に乗せるのが私の役目。細かい話を持ち込まれても対応はできない。そちらは副理事長にお任せします、ということ。まず『理事会便り』を発行して、理事会の動きをガラス張りにしました」

管理組合、復活の3つの原則

 機能がマヒしている管理組合を立て直すには、1にルールの確立、2に情報開示、3に事業の優先順位の決定、であろう。これらは互いに関連しており、臨機応変の対応が求められる。畑島さんは、それまで工事業者からの提案や見積もりの封書が届くと理事たちが勝手に開封していたのを改め、開封は必ず理事会の場で行うルールを決めた。疑いを招くような情報の流れを断つためだ。

 また工事業者の見積もり時点ではA社、B社と名前は伏せるが、コンペで決定したら「理事会便り」で社名を一般住民にもオープンにする。理事会での議論は、すべて議事録に落とし込み、次の世代に受け継ぐことにした。透明度を高めねば管理組合の再生はない。

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中村 克己 元ルノー副社長、前カルソニックカンセイ会長