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CSRは、お地蔵さんのお祭りから

  • 小橋 昭彦

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2007年10月1日(月)

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 8月の下旬。去年のその日は雨だった記憶があるのですが、今年はうす曇り。暑かった夏もお盆がすぎ、日が傾くとさすがに大気にやわらぎが感じられます。わが家の子どもたち3人を連れて、近所のお地蔵さんに地蔵盆のお参りに出かけました。

 あなたは東京の郊外にお住まいでしたね。もしかすると地蔵盆の習慣が無いかもしれません。この日は路傍のお地蔵さんのお祭りです。

 きれいに飾られ、たくさんのお供え物が前に並びます。わが家の一行は、お寺の前のお地蔵さんに寄ってから、主会場になっているお地蔵さんに向かいました。三兄弟は争うように、先へ先へ、かけていきます。その背を見ながら、去年の地蔵盆のときと比べて、いちばん下の子もずいぶんしっかりしたね、などと伴侶と話しながら道を行きます。山の方向からヒグラシのカナカナカナという声が聞こえてきて、どことなく夏の終わりを感じもしつつ。

 お地蔵さんに着いた頃には、子どもたちはもうお菓子をいただくところ。これがいちばんの楽しみ、ありがとう、という声も弾んでいます。

「ご苦労様です」

 当番の人に声をかけながら、ぼくたちもお賽銭をいれます。お地蔵さんの脇の飾り付けを見て、自分たちが当番のときの参考にと、写真におさめました。地蔵当番になるのは、3年ほど後のはず。

 今年の地蔵当番さんたちも、お地蔵さん横の小道にブルーシートを広げ、その上に茣蓙を敷いて、車座になってお酒を酌み交わしています。

「お供えをありがとう」

 お礼を言われ、一緒にどうぞと誘われて。それじゃあ少しと、ぼくも靴を脱ぎます。伴侶も向こうのグループへ。子どもたちは飲めませんが、大人が道端で飲み食いしている様子が不思議でもあり楽しくもあるのでしょう、ジュースを注がれてにぎやかに乾杯。

地蔵当番の「まわり」

 見上げると、暮れ行く空に提灯が並んでいます。今年の地蔵当番は、一組の養蚕家に、二組のわが家の上の家ら。一組、二組というのは、自治会のさらに下の単位で、およそ十軒ほどから成る隣保(りんぽ)とも呼ばれる組織です。通常、なにかの当番はこの「組」を単位に行いますが、地蔵当番はそうではなく、違うくくりになっている。そのことが前々から気になっていたので、この機会にと養蚕家のおじさん(あなたには、おじいちゃんといった方が年齢のイメージが伝わりやすいでしょうね)に尋ねました。

「地蔵当番って、どういう回りなんですか」
「今年はうちと、えいいっさんとこ、……」

 以下、今年の担当を教えてくれます。

「どういう決まりで組み合わせが決まっているんですか」
「これか」

 わいわいやっているみんなを見回して「昔で言う、講っちゅうやつや。いっぺん当番を整理しようということになって、観音講などは今の組に移したんやけど、ひとつくらい昔からのまま残した方がええやろ、ということになってな。それで、地蔵当番だけは昔のまま残したんや」

 それを聞いて、僕は目からウロコでした。

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