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原油相場は上げ放題~『「ガソリン」本当の値段 石油高騰から始まる“食の危機”』
岩間剛一著(評:柴田雄大)

アスキー新書、724円(税別)

  • 柴田 雄大

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2007年10月5日(金)

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評者の読了時間2時間30分

「ガソリン」本当の値段 石油高騰から始まる“食の危機”

「ガソリン」本当の値段 石油高騰から始まる“食の危機”』岩間剛一著、アスキー新書、724円(税別)

 タイトルをみて、読む前から内容は想像がついた。石油高騰→バイオエタノールの利用→トウモロコシの転用→エネルギーと食料の奪い合い……新聞でさんざん書かれたテーマなのかなと。

 しかし、実際は食の危機の部分は最終章に出てくる程度で、本書の中核を成すのは、なぜ今、原油価格が上がっているのかについて、そのメカニズムの解説と、原油価格はしばらく高止まりするであろうという予想、資源小国日本はもっと危機感をもつべきであるという主張だ。

 著者の指摘は極めてまっとうで、その論理構成や話の展開も読ませる。つまり、本書の中身とタイトルにギャップがあり、「どうせ、こんな内容だろう」という誤った先入観を読者に与えるゆえに、損をしている部分があるのではないだろうかと思った。

 むしろ「ガソリンはなぜ高いのか」「ガソリン価格は下がらない」などのメーンタイトルに、「資源小国ニッポンの役割」といったサブタイトルを付けた方が、内容にあっているのではないだろうか。

WTIは“現物引き渡しの先物”、ここがカギ

 本書では、原油価格が今後も下がらないであろう理由として、「1:BRICsに代表される新興国の石油需要の拡大」「2:米国油田地帯の瓦解」「3:中東などの地政学リスクの台頭」「4:原油先物市場への投機資金の流入」をあげている。

 4つの理由については言い尽くされた感があり、ある程度、経済的な知識のある読者には、特に目新しい指摘ではないかもしれない。が、これまで原油についてあまり情報や知識のなかった読者には、問題点をきちんと整理するうえで、このポイントの絞り方は、分かりやすいのではないかと思う。

 面白いのは、4番目のWTIの原油先物価格が決まるメカニズムの紹介だ。原油在庫は積み上がっているのに、なぜ原油価格が上昇するのか。その背景をWTIの特殊性を説明することで、実にうまく浮き彫りにしている。

 WTI原油は良質ゆえに世界の石油のベンチマークになっている。ただ、その実態は米オクラホマ州のクッシングという一地区における“現物の引き渡しを条件とした先物取引”だ。ここがポイントである。

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