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【第13回】 ジリ貧のクラシック音楽部門

ヨーロッパに進出し、本格的に録音を開始する

  • 諸石 幸生

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2007年10月5日(金)

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 ヨーロッパにおける録音活動については、これまでも何回か触れてきたが、今後数回に分けて日本コロムビア(現・コロムビアミュージックエンタテインメント)がどうして他社に先駆けてヨーロッパ録音を開始していったのか、その背景や舞台裏の事情を川口義晴さんに語っていただく。1970年代初頭まで、我が国のクラシック・レコード界と言えば、欧米から録音ソフトを買い付け、国内仕様に衣替えして販売するというのがビジネスの実態であった。だがそんな中、日本コロムビアはなぜヨーロッパ進出劇を展開したのか、あるいはしなければならなかったのか、川口さんはその舞台裏をもっともよく知るだけでなく、その現実を手探りで切り開いてきたプロデューサーである。いつものように意外な苦労話も、楽しいエピソードも披露されていく。


―― 川口さんは日本コロムビアに1973年に入社されていますが、翌年にはヨーロッパでの録音が始まっていますから、これは急な展開ですね。

ヨーロッパ録音進出の背景を語る川口義晴さん

ヨーロッパ録音進出の背景を語る川口義晴さん (撮影:清水健)

川口: 結局ですね、日本コロムビアという会社がとても旧態依然たる組織でありましてね、あの頃、既に60億円もの負債をかかえていた。それで日立の資本が入ってきた。希望退職なんかもやって人減らしもした。僕が入社した頃は大体そういう状況だったんです。日立は1972年に入ってきていたんじゃないかな。

 その前後の日本のレコード会社というのは、コロムビアもそうですが、キングとかポリドールとかも含めて外国のレーベルと契約して、それをディストリビューションするというのが主たる仕事のやりかたでした。

―― 魅力的な演奏、録音を買って日本市場に流すということですね。

 そういった中でコロムビアはものすごい数のレーベルと契約していました。とにかくCBSの販売権を持っていましたからね。つまりCBSソニー以前のCBSですね。そのほかにスプラフォン、エラートがありましたが、それらはもう影のような存在でした。CBSにはワルター、バーンスタイン、グレン・グールドなど人気の名演奏家ばかりいました。それらをディストリビューションすることでコロムビアのクラシックは経営が成り立っていたんです。

 ところが会社法がその頃改正されて、外国の企業が日本で会社を作ることができるようになった。それでCBSがソニーと組んで独立したんです。僕が前にいたフォノグラムも、フィリップスと松下電器産業と日本ビクターが持っていた会社だったんですが、その時はまだ国内の資本の比重が51パーセント。外資は49パーセントしか持てなかった。そんな風に世の中が急変していった。聞くところによるとCBSはコロムビアに合弁会社を持ちかけらしいんですが、それをコロムビア側が拒否したようですね。

―― 確かにそれまでのコロムビアはクラシックの大手でした。

 でも、CBSが抜けたら、スプラフォンとエラートになっちゃった。でも、それはそれでそこそこうまくいったんです。その段階で僕は日本コロムビアに入社したわけですが、今度はエラートがRCAに吸収される事態になった。それですったもんだやったんだけれど、結局その流れは止められなかった。最後はスプラフォンだけになっちゃっいました。

―― 売り物がなくなってしまったようなものですね。

 のんびりとしたコロムビアの社風というのがありましてね。社員は働かないし、昼飯は12時頃から3、4時頃までで、一体いつ働くんだ? そういう会社だったんですよ。会議には必ず昼食が出るし。でも、それでも僕が入った頃は厳しくなってきたと言ってましたから、それ以前は推して知るべしでしょうね。とにかく昔はよく言えば、とても大らかだった。ビクター系の会社から移って来た僕としては、本当に別世界に来たみたいに思いました。

―― しかし売り物がなくては会社の中でのクラシックの比重も小さくなってきますよね。

 スプラフォンそしてオイロディスクですからね、最後に残ったのは。

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