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サムライの道はヤクザに通ず~『サムライとヤクザ』
氏家幹人著(評:荻野進介)

ちくま新書、780円(税別)

  • 荻野 進介

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2007年10月9日(火)

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評者の読了時間2時間05分

サムライとヤクザ 「男」の来た道

サムライとヤクザ 「男」の来た道
氏家幹人著、ちくま新書、780円(税別)

 一見、似て非なるものが裏では同体だった、あるいは密接につながっていた。世の中ではよくある現象ではないだろうか。

 例えば巷間よく言われるところではファシズム(全体主義)と社会主義。情報統制と、そのためのカリスマを必要とする社会主義がファシズム国家につながることはお隣、北朝鮮を見ればわかることだ。自民党と公明党というのも、あっ、これは話が違うか。

 本書で取り扱われるのも、一見、水と油のように思えるサムライとヤクザの関係である。著者は両者が地下水脈でつながっていることを江戸時代の豊富な文献考証を通じて解き明かしていく。

 「ヤクザなんて自分には関係ない」と眉を顰めないでいただきたい。著者も書くように、この国の男には、任侠(弱きをたすけ強きをくじく気性に富むこと。または、その人:広辞苑)に対する憧れが濃淡の違いはあれ、宿っている。本文でも、議会で政治家や企業家がたびたび「男の道」という言葉を口にした例が引用される。

太平の世に弾圧される「男の道」

 著者はそうした男の中の男、男だての原型を、武士ではない、江戸時代前期の2種類の男たちに求める。

 ひとつは、異様な風体で町を練り歩き、乱暴狼藉を繰り返した「かぶき者」である。その典型として取り上げられるのが、江戸に仲間が2000人もいた大鳥逸平という命しらずの不良青年。その最期は江戸中引廻しの上、磔にされるという悲惨なものだった。

 もうひとつは、講談などで取り上げられる幡随院長兵衛(ばんずいいんちょうべい)に代表される町奴(まちやっこ)である。彼らは胆力にすぐれて命知らず、おまけに金銭に淡白で、強きを挫き、弱きを助ける弱者救済の精神に富んでいた、当時の庶民のヒーローであった。

 彼ら二者ともに戦国時代の血なまぐさい「男道」「戦士道」を継承した存在だったが、五代将軍綱吉による徹底的な弾圧以降、幕府や藩当局によって力が削がれていく。戦乱のない泰平の世だから当然である。その結果、男だては絶滅危惧種になってしまったのかといえば、そうではなかった。

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