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特に関西人、注目!~『「粉もん」庶民の食文化』
熊谷真菜著(評:島村麻里)

朝日新書、740円(税別)

  • 島村 麻里

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2007年10月10日(水)

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「粉もん」庶民の食文化

「粉もん」庶民の食文化
熊谷真菜著、朝日新書、740円(税別)

 育ちは争えんなあ、と自分でも笑うのは、たこ焼きとお好み焼きに対する思い入れである。東京暮らしのほうが長くなったいまも、いや、そうだからこそ、関西育ちというのは「ほんまもん」に拘泥したくなる。

 本書は、「日本コナモン協会」の代表による「粉もん指南」である。

 大学の卒業論文をベースにした『たこやき』で注目された著者は、以来、たこ焼きを初めとするニッポンの粉もんを探訪し、調査を重ねてきた。

 コメのご飯=粒食なら、「粉もん」とは、広くは製粉された粉を使う食べ物全般=粉食を指す。が、本書では、たこ焼きやお好み焼き、うどんにおやきなど、多くは小麦粉を用いた「粉食」を主に扱っている。

 関西で定着した「粉もん」という呼称が全国に拡がったのは、それほど古い話ではないらしい。具体的にはバブル崩壊後、地域おこしの材料として手軽なローカルフード、つまり土地に伝わる粉もんが、各地で再度注目されるようになっていった。

 讃岐うどん、伊勢崎もんじゃ、八戸せんべい汁、久留米ギョーザ。いまや粉もんは「交流会」とか「鉄板対決」などと銘打たれ、日本のあちこちでイベント化され、ブログなどを通じた一般人の「食評」が、伝播を後押しする。いずれも粉もんが、気軽に食べ歩けるカジュアルフードであるからこそ可能な展開だ。

粉もん、哀愁の旅路

 けれども、と、著者は嘆く。粉もんは、はかないと。

 たこ焼きにせよ、おやきにせよ、昔から庶民に広く愛された食べ物であったのに、いや、庶民的すぎたゆえにまともな料理として認めてもらえず、文献にも残っていない。古くから伝わる食の文化を、いま書き残さなくてどうする? と、著者は全国を行脚する。

 長野(日本一の小麦粉消費県だそう)では、灰焼きおやき(囲炉裏の灰に埋めて焼き上げる)に挑み、茨城では加水率(粉に対して加える水分の割合)世界一、と推察される、ぐちゃぐちゃ、どろどろの大洗たらし焼きと向き合う。

 ミンチにしたカシワ(とり肉)を練り込んだかしみん焼き(大阪府岸和田)、カシワにキモも加えたキモ焼き(香川&徳島)、穫れたてのカキがびっしり入る冬の名物カキオコ(岡山県日生)……。お好み焼き系列だけを取っても、どれほどのバリエーションがあることか。うう、食べ歩きたい。食欲の秋を当て込んで出した本なのだろうが、結構、そそられてしまう。

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