• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

フランス人から見た世界『地図で読む世界情勢』

~小粋さと、非英米の視点

  • 麻野 一哉

バックナンバー

2007年10月24日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

地図で読む世界情勢 第1部 なぜ現在の世界はこうなったか

地図で読む世界情勢 第1部 なぜ現在の世界はこうなったか』ジャン-クリストフ・ヴィクトル他著、草思社、1600円(税抜き)

 2部構成の本書は、世界情勢や各国の歴史、隣国同士の因縁といったものを地図を使って分かりやすく解説している。第1部は主だった国の解説、第2部は世界全体の未来予想だ。元々はフランスの人気テレビ番組で、本国ではベストセラーになっている。こういった「○○を地図で読み解く」という本は類書が多いが、この本の特筆すべきは以下の3点である。

  • 地図が美しい。
  • 日本でも英米圏でもない、フランスという国の持つ視点。
  • 絞り込みのセンス。

 この手の本に掲載されている地図は、情報の取捨選択がされているものが普通だ。たとえば国境をテーマとして見せたいとき、河川や山脈は明示した方が理解が深まるが、細かい地名や海中の構造などはどうでもいい。というか、むしろジャマだから削ってある。本書もそこまでは同じなのだが、その不要な海や余白にひと工夫ある。

まず、興が乗る。仕掛けのセンスが抜群

 海の青が均一でなく濃淡がある。ダンボールのようなキャンバスに水彩画のような着色がなされているためだ。他にも、テロの解説の地図には古地図のような雰囲気をもたせている。中国の領土解説の図も、東洋風にするためか、和紙の上に描かれている。そういった工夫のおかげで、記号的な「図」が、ちょっとした「絵画」のように見えるのだ。無味乾燥な地図が、グッと情緒的になり、これは読み進める上で予想以上の推進力になる。

 評者はゲーム開発が本職なのでそれにからめて話をするが、たとえば、RPGを遊んでいて、マップ(世界地図)を表示するとする。そのとき、地図が学校の教科書みたいに無味乾燥なものだったらどうだろう。興をそがれることはなはだしい。その手の地図は、やはり古地図っぽく、すりきれた羊皮紙の風合いであって欲しいし、ストーリーと関係なくとも、海面から人魚が顔を出していて欲しい。

 この本は本来エンターテイメントではない。だから過剰な装飾は不要ともいえる。しかし、本文の主旨と直接は関係ないとしても、興味が持続する仕掛けはうれしい。正しいだけでなく、楽しい方が理解が深まるのは、脳の構造上まちがいない。こういった味付けにはセンスがいる。そのへんはさすが美の国フランスだ、とベタな感想を書きつつ、次の特筆点に移る。

 読者のみなさんは、ディエゴ・ガルシア島という島をご存知だろうか。

コメント1

「超ビジネス書レビュー」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

社長に就任してずっと言っているのが ファンダメンタルズの強化。

安形 哲夫 ジェイテクト社長