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エルビスのロックが響く

『エルヴィス 最後のアメリカン・ヒーロー』前田絢子著 角川選書 1600円(税抜き)

  • 松島 駿二郎

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2007年10月19日(金)

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『エルヴィス 最後のアメリカン・ヒーロー』前田絢子著

『エルヴィス 最後のアメリカン・ヒーロー』前田絢子著

 雑音が酷いラジオ受信機のオンボロスピーカーに耳を近づけると、なんだか調子のいい音楽が聞こえてくる。中学校時代の秘かな楽しみの時間をエルビスはもたらしてくれた。

 まだ図像が簡単にアメリカから日本に届く時代ではない。雑音の中で聞く・・そのころのエルビス体験がいちばんピュアなものではなかったか。

 リズムも声もみんな良かった。歌詞がきちんと聞き取れるような受信機ではなかった。だから歌の内容はどうでも良かった。リズムとメロディだけに神経を集中できた。そんな体験を持つ書物漂流子にとって、本書はエルビス・プレスリーのアメリカでの受容の詳細を教えてくれる。ちょっと貪るように読んでしまった。

 著者が書く、アメリカの音楽商業主義がのエルビスを受容していく流れは、とりわけ興味深い。もう10年以上前にメンフィスからエルビスの生まれた家を訪れたことを鮮烈に思い出した。そのとき2枚のCDを買った。それを改めて聞いてみるとやはりエルビスってイイと思った。

 本書を読み込むと、まだメディアの最前線がラジオと映画とシングル盤だったことを知らされる。しかしラジオ無線網は全米に張り巡らされ、あっという間に「コースト・トゥ・コースト」のメガヒットが生まれる素地が整っていたことが分かる。

 著者は思い入れを込めて、ディープ・サウスの強い人種偏見について語る。この偏見が引き起こしたものがゴスペルであり、エルビスの音楽を支えている大きな要素であることを教えてくれる。

 エルビスの黒人たちのゴスペルへのこだわりが、あの深い祈りのようなロックをささえていたのだ。

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