カンファレンスで行われた岩田聡・任天堂社長の講演
まだ10月ですが、2007年のゲームビジネスにおける、今年最大のニュースは確定しました! 11月の「みんなのニンテンドーチャンネル」のサービス開始こそが、今年最大のニュースです。
これは10月10日の「任天堂カンファレンス2007.秋」の場で発表された、Wii用のサービス。年末年始の人気ソフトの陰に隠れがちですが、いやいや、これこそ従来のゲームビジネスを支えてきた常識を、一気にひっくり返す破壊力を持つ、恐るべきサービスです。
Wiiは「番組」を所有する
特筆すべき機能は3つ。ひとつは新作ソフトのプロモーション映像などの配信です。つまりゲーム機が、そのまま新作ソフトを宣伝する場になるということです。
ふたつめは、ニンテンドーDSの体験版ソフトの配信です。自宅のWiiにDSの新作ソフト体験版をダウンロードし、DSに移すと、その体験版が遊べるようになります。ゲームショップの店頭にあったDSステーションで行われていたサービスを、自宅でできるようになると考えるといいでしょう。
メーカーからの情報・サービスが、ダイレクトに家庭のゲーム機に送り込まれ、ユーザーを楽しませるという仕組みです。ゲーム機が「テレビ番組」を持つのだと考えると、分かりやすいかもしれません(だからWiiの各サービスは「チャンネル」と名づけられています)。
もっとも、こういった「広告」や「体験版の配信」は、すでに他のゲーム機でも実行されていること。任天堂は、機が熟すのを待ち、サービスを開始しただけのことです。「みんなのニンテンドーチャンネル」で本当にすごいのは、3つめの機能です。
それは、ユーザーによるゲーム評価システムを構築してしまったことなのです。
世界最強のマーケティング機能
この機能により、全世界に繋がっているWiiユーザーは、プレイしたゲームの評価を送信できるようになります。年齢・性別などを入力し、ソフトの評価を送信すると、それらが集計され公開されます。ユーザーは、世界中のユーザーの評価を見て、ソフト購入の判断の手助けとして利用できます。世界中のユーザーが、ちょっとずつ参加すると、そこに価値のある集計データが誕生。それをみんなで享受するという仕組みです。
また、Wiiには、すべてのゲームのプレイ履歴が残っています。ユーザーの許諾を得た場合のみ、それらの「どのソフトを、どのくらい遊んだか」のデータも集計することになるようです。
どんな年齢の人が楽しんでいるのか? ユーザーの性別はどうか? 1人で遊んだのか、みんなで遊んだのか? そういったデータが世界中から集まるのは史上初のこと。これぞゲーム史上最強の情報集積システムでしょう。これまでインターネット上でも意見を発信しなかったような人たち――小さな子供からお年寄りなど――まで、ゲーム機所有者の意見が等しく集計されることの価値は、とてつもなく大きいでしょう。
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