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いきなりトンカツ屋さんに行ってはいけない~『世界の宗教を読む事典』
ポール・オリバー著、森英明訳(評:島村麻里)【奨】

講談社現代新書、1100円(税別)

  • 島村 麻里

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2007年10月23日(火)

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世界の宗教を読む事典

世界の宗教を読む事典』ポール・オリバー著、森英明訳、講談社現代新書、1100円(税別)

―― ローマで庶民的な界隈を歩いてたらさ。通りかかった教会にどんどん人が吸い込まれていくんで、つられて入ってみたんだよ ――

 名前をいえばわかる人にはわかる、法曹界のとある御仁から聞いた話である。

「中では一同、立ったり座ったり歌ったり。で、途中で列を作ってぞろぞろ前に進むんだ。牧師らしき人が、ウェハースみたいなの配っててさあ」

 まさか一緒に並んで、それ、もらったんじゃないよね?

「うん。食べたよ」と、先方は涼しい顔。彼は、飛び入りしたのがローマ・カトリック教会のミサであり、仕切っていたのは牧師でなく「司祭」で、ウェハース状のものは、洗礼を受けた者にのみ拝領が許された「聖体」であることなどを、なにひとつ知らなかったのだ!

じゃあ、ディアスポラの意味は?

 キリスト教信者の数が人口の1%いるかどうか、という日本では、まあ、この人を責めきれないところがある。ましてやイスラムにヒンドゥーだ。前者が10億、後者が8億ともいわれる膨大な信徒数にもかかわらず、極東の島国で暮らすかぎり、かれらの理解に必要な知識が求められる環境や機会はごくかぎられていた、といっていい。

 しかし、地球規模でヒトが動くグローバル化の現代である。主要な宗教に関する基礎知識の有無はいまや、ビジネスの行方すら左右しかねない。相手に尋ねもせず、外国の人をいきなりとんかつ屋やすき焼き屋に案内する危険性。たとえばそういうことだ。

 そんな折、ベーシックな知識がたやすく拾え、カジュアルに使える事典が出た。原著は、英国の宗教研究者による"101 KEY IDEAS: World Religions"らしい。

 本書は前半が101項目におよぶ事典編、後半は日本語版の出版にあたり訳者がつけ加えた用語索引・解説編で構成される。米同時多発テロ以降、少しは耳になじんだ「ラマダーン」。この言葉で索引から入ると、「イスラム暦第9番目の月。断食月」などといった解説が現れ、さらにそこから「イスラム暦」「イスラムの5つの柱」といった事典編の項目に飛べる。

 逆に、事典編でたまたま開いた「タルムード」(「ラビの手になるユダヤ教に関する文書や解説が集大成されたもの」)のページからは、「シナゴーグ」「ディアスポラ」などの用語解説に行ける。ほぉ、ディアスポラって本国を離れて暮らす人のことかと思ってたけど、本来は「パレスチナ以外の土地に住むユダヤ人およびその共同体をさす」言葉だったのね、わたしの知識なんてヤバヤバじゃん……ってな具合だ。

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