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(13)乱脈経理の管理組合はこうして立ち直った

  • 山岡 淳一郎

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2007年10月30日(火)

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 公正取引委員会の「マンションの管理・保守をめぐる競争の実態に関する調査(2003年10月)」は、管理会社が一方的に有利な管理委託契約を管理組合との間で交わすことに警告を発している。

 例えば、分譲時に販売側の「重要事項の説明」なしに1年を超える契約を結ぶことは法的に禁止、と指摘。管理会社が契約書に解約を制限する条項(解除の申し出は契約期間満了日の○カ月前までに行わなければならない、管理組合との協議が整わない場合は契約は自動更新、管理組合からは契約解除を提案できない等)を置くことは独占禁止法上「不当な抱き合わせ」として問題となる場合もある、とクギを刺している。

管理費を気にしないと食い物にされる

 かつて「吠えない番犬」と揶揄された公取委だが、所轄が総務省から内閣府に移り、独禁法の抜本改正で権限が強化されて様変わりをした。橋梁談合事件における大企業の刑事告発、IT(情報技術)系多国籍企業の摘発と、近年は見違えるような動きを見せる。スーパーゼネコン各社が談合廃止宣言をしたのも、公取委の圧力が大きかった。政府は、市場開放、規制緩和のアメに対する取り締まりの強化というムチを公取委に与えた。

 その公取委がマンション管理の実態調査に乗り出したのは、管理会社に都合のいい契約や取引が横行する現実を反映してのことだ。マンション管理会社は全国で2700社以上あると言われる。その7~8割が大手デベロッパー、ゼネコン、商社などの系列会社。2~3割が独立系とされるが、片務的な契約がまかり通ってきた背景には、マンション購入者の「管理費への関心の薄さ」があった。

 同調査は、管理組合団体からのヒアリング内容をこう記す。

「マンション購入者に対しては、売買契約時に分譲会社より管理規約(案)と管理委託契約書(案)が渡され、分譲会社が指定した管理業者への管理委託への同意を求められるが、その時点では管理費の内訳は開示されないことがある。また、売買契約時、マンションの購入者はその他のことで頭が一杯なため、管理委託契約書の内容まで確認して承諾している購入者はほとんどいない」

 同調査には管理会社の言い分も載っている。

「マンション購入者には、売買契約時に管理委託契約案とともに各設備の管理費の内訳を渡しているが、管理費について質問をしてくる購入者はほとんどいない」

 いずれにしても購入者は、管理費や修繕積立金に関心を払う間もなく、売買契約を結んでいることになる。そこがマンション管理上のボタンの掛け違いと言えよう。いち早く、不合理な状況に気づき、ボタンを掛け直せるか? 

 管理費、積立金の収支バランスはマンションの将来を決める。「マンション会計」の立て直しは、資産価値の維持に直結している。

10年前までは大混乱だった「労住まきのハイツ」

 以前、このコラムでも紹介した(「空き待ち」が出る中古マンションの秘密)大阪府枚方市の「労住まきのハイツ」は、4棟・380戸、築後31年の高経年マンションだ。高齢住民の互助組織「かけはし」が機能し、近隣では資産価値が下がらないマンションとして有名なのだが、10年ほど前、住民有志が管理費や積立金の管理にメスを入れたときは、とんでもない乱脈経理ぶりだった。

 日常的な建物の保守や管理に使われる管理費と、将来の大規模修繕や年度別の計画修繕、劣化診断などに必要な修繕積立金が、同じ勘定に一緒くたで処理されていた。お金の出し入れは管理人任せで、支払いのたびに理事長が伝票にハンコを押す状態だった。

 住民で元銀行員の木村亮平さんを中心にマンション会計の立て直しが始まった。

「管理会社の仕事、取引業者の問題、受注と発注のバランス、どれも乱れに乱れていました。管理費は完全に赤字でした。勘定が一緒だから積立金を取り崩しているのが、外から見えなかった。まず、1年がかりで支出をずーっとチェックしました。1円の領収書から、手作業で。いくら収入が少ないからといって、いきなり管理費を上げるわけにはいきませんから」

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官