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「国家を止める競馬」メルボルン・カップ

日本の馬もドラマを生んだ

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2007年11月7日(水)

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 僕の競馬暦は50年、半世紀になります。小学校に入ってまもなく競馬のファンになってしまったのです。7歳の時でした。きっかけは母の職場での習慣でした。その当時、僕の母は地元の新聞社で記者をやっていました。毎週金曜日、記者仲間達は数シリングを出し合い、当番システムで馬を選び、そのお金を土曜日のレースに賭けました。儲かると次の週の飲み代に回したわけです。

 母は面倒くさいという理由で僕に馬の選択を任せてくれました。すると7歳の男の子は競馬の虜になってしまったのです。50年以上たっても初めて当てた馬の名前を覚えています。Sea Houndという馬でした。もともと馬という動物が大好きでしたが、母のおかげで競馬が生涯の趣味となりました。

 オーストラリアでの競馬の話となると、どうしてもメルボルンカップ(G1 3200メートル)が一番の話題になります。オーストラリアの代表的なレースで、競馬通の間で世界的に注目されています。僕が最初に覚えたメルボルンカップの優勝馬はBaystoneという馬で、以来毎年の優勝馬を半世紀にわたって暗記して来ました。

 ある年の優勝馬は? と聞かれれば、その馬名とリンクしてその年の出来事も思い出せます。僕にとっては一種の人生の羅針盤でさえあります。毎年メルボルンカップが近づいてくると、僕の顔色は変わってくるらしいです。僕の母は今でも「私はSister Oliveが『カップ』を勝った年(1921年)に生まれたのよ」と自分の生まれた年を紹介します。これほどメルボルンカップは特別なレースなのです。

 メルボルンカップは、メルボルンを舞台に行われるオーストラリアの一大競馬祭です。10月半ばのCaulfield Cupから始まり、それから3週間にわたってG1オンパレードです。WFA Cox Plate (G1 2040m)が次で、3歳馬のクラシックであるビクトリアダービー(G1 2500m)があって、いよいよクライマックスとして、一番有名で伝統のあるメルボルンカップが11月最初の火曜日に行われます。

 いわゆるオーストラリア版のArc de Triomphe(凱旋門賞)です。オーストラリアでは「国家を止めるレース」と呼ばれています。普段まったく競馬に興味がない人達もこのレースには小銭だけでも賭けます。

 3分あまりのレースの間は、職場も学校も仕事や勉強をやめてみんなこのレースに注目集中します。国家が事実上止まってしまう感じです。ビクトリア州ではこの競馬のためにその日は祭日となっています。変な話ですが、オーストラリアで強盗を起こそうと思ったらその3分間が一番いいチャンスだと思います。

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