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「低評価の不美人」に投資せよ~『新しい株式投資論』
山崎元著(評:荻野進介)

PHP新書、720円(税別)

  • 荻野 進介

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2007年11月12日(月)

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評者の読了時間2時間05分

「新しい株式投資論 「合理的へそ曲がり」のすすめ

新しい株式投資論 「合理的へそ曲がり」のすすめ』山崎元著、PHP新書、720円(税別)

 新書で株式投資論? ちょっと意外な感じがして手に取った。この手の本といえば、チャートや数式が満載だから、もっと大判の単行本、それもカラー版のムックが最適ではないのか、と思ってページをめくったら、図表も数式も皆無ときた。

 本文の一行目からいきなり結論である。株式投資での成功に必要なものは「運」と「センス」だという。う~ん、そういわれましても……。

 とはいえ、前者は如何ともしがたいが、後者はコントロールできるかもしれない。そのセンスを磨くのに必要な、株式市場の仕組みと株式投資で有利に儲ける戦略を、手を易え品を易え論じたのが本書だ。

 著者は、「株式投資はギャンブルである」とまず言い切り、経済活性化のための善行、贔屓企業への応援の一票、という“甘い”考えを退ける。

 一方で、競馬や賭け麻雀といった一般のギャンブルとも区別する。それらは胴元の手数料分だけ、参加者が必ず損するゼロサムゲームであるのに対して、株式投資は生産活動に向けた資本の提供であり、払い戻し率が平均的にプラスになるからだ。

 そして、ギャンブルゆえに、「企業には絶対的な投資価値があり、その価値はいずれ株価に反映するから、自分の信念に従い、対象企業の価値を分析すべきだ」という考え方を否定する。

他人がその企業の「優良さ」に気づかないことだってある

 なぜなら、仮に正しい株価を発見できたとしても、他人がその価値に気づかなければ、いつまで経ってもその株価は実現しないからだ。現に、そういう分析を繰り返しているはずのプロのファンドマネジャーによる運用実績の平均は、株式市場の平均よりも劣るという実証研究もある。

 そうではなくて、他の市場参加者の行動を予測し、それに応じて自分の行動を決めるのが株式投資の要諦である、というのが著者の立場だ。

 そんな見方で、既存の金融機関の姿勢を一刀両断にする。

 例えば、経営者との面談を重視し、ビジョンや人柄に優れた経営者に投資するファンドマネジャーである。そもそもファンドマネジャーに経営者の評価ができるのか、と疑問を投げかけ、会社を潰さず伸ばすのは人間的には感じのよくない、強欲そうな人物が多いことを指摘、挙げ句の果てにこうだ。

〈経営者の人柄やビジョンを重視する投資家はパドック(競走の前に馬体を見せる場所)を重視する競馬ファンに近い〉

 株価や出来高などの市場データをグラフにして分析する手法にも冷や水を浴びせる。いまだかつて有効性が立証された分析手法がないというのがその理由で、〈根拠の乏しい売買を誘発して売買手数料を稼ぐための証券業界が普及に努める「手数料製造装置」〉とまで言い切る。

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