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「音楽の美しさ」をはかってみよう~『〈はかる〉科学』
坂上孝、後藤武編著(評:山本貴光+吉川浩満)

中公新書、880円(税別)

  • 山本 貴光, 吉川 浩満

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2007年11月13日(火)

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〈はかる〉科学 計・測・量・謀……はかるをめぐる12話

〈はかる〉科学 計・測・量・謀……はかるをめぐる12話』坂上孝、後藤武編著、中公新書、880円(税別)

 わたしたちは、生まれてから死ぬまで、起きてから寝るまで、まあ飽きもせずいろいろなものをはかっている。

 ためしに自分の身体を例にとってみよう。身長、体重、足のサイズあたりはいいとして、視力、聴力、握力、肺活量、血圧、血糖値、体脂肪率……。健康診断の結果報告書を見れば、血中ヘモグロビン濃度だのなんだのと、わがことながらよく分からないデータまで載っている。

 毎日の生活をふりかえっても、いろいろな場面で距離、お金、時間、重さその他、二六時中なにかをはかっているといっても過言ではない。その大半は、身近をとおりこして無意識にやっているから、日ごろ「はかる」ということをそんなに考えることもない。

 さて本書は、分野のちがう12名の専門家が、「はかる」ということについて語った論集だ。一口に「はかる」といっても、対象がちがえばもちろんはかり方もちがう。

 「長さ」や「重さ」は誰もがおなじみのものだが、現在普及しているメートル法が確定・普及する過程を見ると、たかが単位と言ってすまない問題だったことがわかる。第1章「はかることの革命」では、フランス革命の舞台裏で繰り広げられた度量衡統一の苦闘が紹介されている。

「はかる」普遍化の難しさ

 たとえば、しばらく前まで日本でもメートル法ではなく尺貫法が使われていたし、いまでもお酒の席で「八海山、二合ね」なんてやっている。海の向こうにはヤード・ポンド法もある。そんなふうに文化圏によって度量衡は異なるものだが、メートル法で統一がはかられる前のフランスでは、国内だけでも数百という度量衡が地方ごとにあったというから驚きだ。

 度量衡が土地によってちがうとなにが困るのか。あっちの土地とこっちの土地で穀物の収穫量を量ろうと思ったら、相互の単位を換算しなければならない。いまならコンピュータでちょちょっと計算すればなんてこともなかろうが、手計算で数百の換算をやるとなったらそれだけでも気が遠くなる。

 それはもう全国で度量衡を統一したほうが便利にちがいない。ではどうやって統一するかというのでまた一苦労。なにしろ場所によらず、使う人によらず、季節や時刻によらず、いつでも同じようにはかれないようでは困るのだ。

 ここで、はかることの重要な役割がわかる。要するに、人間の恣意とは関係なく、ユニヴァーサルに(普遍的に)比較したいのである。それはそうだろう、二合のお酒が出す人によってちがうのではたまらない。

 そこでフランス人はどうしたか。

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