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無死一塁、バントする?『データで読む 常識をくつがえす野球』

~実はヒッティングのほうが有効らしいです

  • 石原 たきび

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2007年11月28日(水)

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データで読む 常識をくつがえす野球

データで読む 常識をくつがえす野球』小林信也、草思社、1400 円(税抜き)

 「感傷的な野球感は、気持ちよく砕かれ、その向こうにもっと深い感動につながる新しい発見が起こる予感がする」(プロローグより)

 本当にそうだった。テレビの野球中継を見ていてイラッとするのは、解説者の“感傷的な”講評。ホームランを打てば「気合いの一発でしたね」。三振すれば「ボールが見えてませんよ」。そんなん誰でも言えるし…。

 本書は徹底したデータ分析によって、これまで当たり前とされていたプロ野球のセオリーをことごとく葬り去る。著者は少年時代から野球に夢中で、高校の野球部ではピッチャーも務めたスポーツライター。野球に関わって40年近く。「野球のことなら、だいたい理解できるつもりだった」という彼だが、2005年のプロ野球シーズンを通して「なんだか意味がわからない」プレイを数多く目にした。それがこの本を書いたきっかけだ。

 データが語る新セオリーのなかで、印象に残ったものを2つ挙げよう。まずは「無死一塁なら送りバント」というもの。しかし調べてみると、この状況で送りバントをして得点できた確率はセ・パともに40.6%。対して、ヒッティング(強攻策)ではセ42%、パ41.9%(いずれも2005年)。なんと、ヒッティングのほうが得点確率が高かった!

初回失点だとかなりの確率で「負け」

 また、初回に失点した場合、中日とソフトバンクを除いた10チームは、その試合の勝率が約1割~4割。つまり、かなりの確率で負けている。2005年、巨人は5位と低迷したが、実際に初回失点数が128点。ダントツのビリだ(優勝した阪神は62点)。2006年スタート時は好調。初回に得点している。これを受けて著者は「いっそ、初回限定の先発投手がいてもよいのではないか」。おお、大胆な提案。

 分析対象となるデータは、まさにひとつひとつのプレイのすべてだ。たとえば、打者の場合なら「左投手が内角に投げたスライダーに対する打率」などというものまで揃っている。そんなデータは、さすがにスポーツ新聞や専門誌にも載っていない。

 これらを提供しているのは、スポーツデータ分析のスペシャリスト集団「データスタジアム株式会社」(東京・世田谷区)。同社が開発した解析ソフトにいち早く興味を示したのが千葉ロッテのボビー・バレンタイン監督だった。導入後のチームの躍進ぶりは皆さんご存じのとおり。今では半数以上のプロ野球チームが同ソフトを使っているという。首脳陣の経験や直感で試合の采配をふるう時代は終わったのだ。

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