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民主化運動に揺れるトンガ

太平洋最後の王国に迫る決断の時

  • 藤田 宏之

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2007年11月26日(月)

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 トンガは世界でももう数少ない、そして太平洋では最後の君主国だ。いまトンガでは、国民の間で改革を求める運動が起きている。先進諸国は世界各地に民主主義を根づかせようと苦労しているが、トンガでは草の根の民主化運動が芽ばえている。

 トンガは決断を迫られている。過去を大事にするか、それとも新たな未来を目指すか、君主制か民主制か、孤立主義を採るかグローバル化を推進するか。すぐにも選択しなければならない。



ババウ島タウネア村の朝のラッシュアワー、といっても混雑はどこにも見られない。トンガではどこでもそうだ。約20万人のおよそ半数は海外に出稼ぎに行っている。
ババウ島タウネア村の朝のラッシュアワー、といっても混雑はどこにも見られない。トンガではどこでもそうだ。約20万人のおよそ半数は海外に出稼ぎに行っている。

 長い歴史の中でトンガ王室は国民に畏怖され、君臨してきた。約900年前に王朝が開かれて以来、歴代の王は戦争と外交を巧みに利用して、サモアやおそらくフィジーなど、従順な周辺の島々を支配下に置いた。今日でも、太平洋のなかで外国勢力に支配されたことのない国はトンガだけだ。歴史的に見れば、トンガはおおむね孤高を保ってきた国で、国民もほぼ単一のポリネシア人で構成されている。

 しかし、文化的には外からの影響を大きく受け、探検家や宣教師、いかがわしい山師や罪人といった人々がこの島々を訪れ、足跡を残している。1770年代にトンガに到達した英国のジェームズ・クックは、人々の歓待に感銘を受け、この地をフレンドリー諸島と名づけた。これはトンガの別名として定着する。クックは気づいていなかったが、実はトンガの人々はクックを殺すつもりだったのだ。

 国民の識字率は99%に達するが、国の収入はもっぱら海外に移住したトンガ人からの仕送りが頼りだ。全部で32ある国会の議席のうち、国民の投票で選ばれるのはわずか9議席。残りは国王と貴族が選出する。そして、あらゆる決定は国王の承認を得なければならない。

 先の国王、ツポウ4世は長い間、国民の尊敬を集めてきた。身長1メートル88センチ、体重210キロの堂々たる体格は、王侯らしい威厳に満ち、若いころはサーフィンやダイビングもこなしていた。しかし、晩年病気がちになり、判断力が怪しくなってくると、王室一家は「常軌を逸した」としか言いようのない事業に次々と手を出しはじめる。

 国王は海水を天然ガスに転換する試みに数億円を投じた。長男の皇太子は、トンガを放射性廃棄物の処分地にしようとした。また、地質学的に可能性はほとんどないにもかかわらず、費用のかさむ石油資源の調査を続けた。

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