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「ネット世論」と政治との相性の悪さ

2007年12月20日(木)

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 前回に引き続いて、長妻昭・民主党議員へのインタビューで出た話題について解説していこう。元記事はこちらからお読みいただける。

【ミスター年金・長妻昭氏に聞く取材テクニック】

前編:官僚から「本当の話」を聞き出す方法
後編:政治家と官僚の“相互不可侵条約”を打ち破る報道を

 「調査報道」の語は「発表報道」に対立するものとして使われることが多い。

調査報道を阻むのは

 官公庁の記者クラブや、企業の広報、宣伝部を通じて発表される情報をそのまま報道(=発表報道)するのではなく、報道側が主体性を持ち、自前の取材で真相を掘り下げてゆくことを調査報道と呼ぶ。当事者から発表された情報を伝えることもジャーナリズムの使命ではあるので発表報道を一概に否定することはできないが、先にも書いたジャーナリズムの「翻訳家モデル」から「批評化モデル」への転換の必要性を思えば、発表報道より調査報道にとジャーナリズムは重点を置くべきだろう。

 既存のジャーナリズムへの批判として登場した1960年代のニュージャーナリズムが極めて調査報道的であったのは、こうした発表報道からの離脱の要請に応えたという事情がある。そして実際、インターネットの時代には当事者発の情報は当事者のWEBで広報されるようになり、報道が伝達の媒体役を務める発表報道の社会的必要性は薄くなっている。かくして調査報道化は時代の要請でもあるのだ。

 過去に調査報道の仕事として高く評価された仕事の1つに「ワシントンポスト」記者のボブ・ウッドワード、カール・バーンスタインによる民主党本部ビル盗聴事件報道がある。当初は単なる不法侵入だと見なされていた事件の背景に共和党政権の影があることを突き止め、さらにその犯罪にニクソン大統領自身の関与があったことまで調べ上げていった、いわゆる「ウォーターゲート事件」報道は、最終的にニクソンを辞任させるまでに追い詰めていった。このウッドワードらの報道は後に『大統領の陰謀』にまとめられ、ロバート・レッドフォード主演で映画化もされた。

 日本でも同じく時の首相を辞任に追い込んだ報道として立花隆の『田中角栄の研究』があり、『大統領の陰謀』と並べて紹介されることもある。だが、この立花の仕事に関しては新聞やTVの政治部記者の間では「立花が調べた程度のことは前から記者は皆が知っていた」という声も出ており、調査報道と呼ぶよりも、政治部記者が、政治家と癒着することによって自らタブー意識を育み、報道を怠らせたケースだと考える立場もある。

 後者だとすれば、それは、日本のジャーナリズムにおいて調査報道がむしろジャーナリズム組織の論理によって阻まれている事情を示すものだ。そこに政治家になった長妻氏の方がむしろ調査報道ができる逆説が生じる理由がある。

国政調査について

 日本国憲法第62条に「両議院は、各々国政に関する調査を行い、これに関して、証人の出頭及び証言並びに記録の提出を要求することができる」と規定されており、国会議員の調査権を認める内容となっている。

 この国会議員の調査権、即ち国政調査権を行使する手段は様々にあるが、特に有名なのは証人喚問だろう。この証人喚問では偽証に対して偽証罪が成立するなど法的権限を背景に強力な調査が可能となっている。

 しかし実際には、ロッキード事件の証人喚問で当時の国際興業社主であった小佐野賢治が喚問を受けて、「(全然)記憶にございません」を連発、それが当時の流行語となったように、偽証もしないが発言も避ける「第3の道」があり得る。また刑事訴追の可能性がある場合には合法的に証言を避けられるという規定もあって、証人喚問は必ずしも「伝家の宝刀」として機能しない事情もある。法によって認められた調査権は、法によってその適用範囲もまた定められているのだ。

 証人喚問はこうした限界があるが、国政調査権が認められているがゆえに国会議員が官僚に資料の提出、調査を命じられることは、やはり一般のジャーナリストにしてみれば羨望の部分だろう。公式に開示された資料以上の提供を官僚組織に求めるのは至難のワザである。

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