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不動産と保険は買うな!~『家計崩壊』
深野康彦著(評:柴田雄大)

講談社+α新書、800円(税別)

  • 柴田 雄大

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2007年12月13日(木)

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評者の読了時間2時間10分

家計崩壊 「見えないインフレ」時代を生きる知恵

家計崩壊 「見えないインフレ」時代を生きる知恵』深野康彦著、講談社+α新書、800円(税別)

 新書の評者をしていて、タイトルと内容が乖離しているな、と感じることがたまにある。少しでも読者にインパクトを与えて書店などで手に取らせようと編集者が知恵を絞るのだろうか、タイトルでどきっとさせられた割に内容はそれほどでもなかったと思うこともある。

 本書も「家計崩壊」というちょっと衝撃的なタイトルが目を引く。朝日新聞などのルポで時々取り上げられるような、普通の家庭の家計はいかにして破綻していくのかを検証したものかと思ったら、まったく違った。

 直接、家計に触れているのは1章のみで、この秋の値上げラッシュが今後のインフレ社会到来の序奏であると指摘し、資産運用や投資の心構えを諭している程度だ。本書の中身をひとことで言えば、普通の家庭におけるこれからの投資の指南書で、それがなかなかツボを押さえているのだ。

 著者の深野氏は1962年生まれ、独立したファイナンシャルプランナーだ。深野氏は、これからの日本は17年ぶりの物価および金利上昇の時代になり、それはすなわち、今社会の第一線で働く30代、40代の大半が経験したことのない局面を迎えると指摘している。

 その一方で、給料は上がらず、年金はカットされる。そんな時代に適合した投資術を本書では伝授している。銀行預金、債券、株式、投信など円建て商品から、外貨建て債券・投信、商品ファンドや金、不動産、保険まで幅広く触れている。

 これから日本の金利は上昇していくという見方が大勢だろう。しかし、その変化は前回の金利上昇局面とはずいぶん異なると深野氏は予測する。

 前回は、円高不況を克服するため、1987年2月に2.5%まで低下した公定歩合が、バブル退治の目的で1989年5月まで通算5回、6.0%まで引き上げられた。

 金利上昇局面では、借りるなら変動型より固定型、逆に買うなら固定金利商品より変動金利商品が有利と考えるのが普通だ。ところが深野氏は「変動型商品を買うのはしばらく待て」と言う。その理由は、これからやってくる金利上昇局面は、前回よりも上昇ピッチが遅くなるとみているためだ。

ゆっくりした金利上昇局面で打つべき手は

 前回はわずか1年3カ月の間に3.5%分が利上げされたが、当時のような0.5%や0.75%もの大幅利上げは今回は難しく、0.25%刻みでゆっくり上げる可能性が高いとみている。

 だとすれば、今のタイミングならば、メガバンクなど普通の銀行の変動金利型預金で年0.5%程度の利子を得ても、利子が短期間で大きく増える可能性は低く、インターネット銀行の固定金利型預金で年1%の利子をもらう方が有利と分析する。

 株式投資と債券投資の関係も、そのアドバイスもわかりやすい。教科書的に言えば、金利上昇局面は景気回復局面であり、企業業績も伸びるから株式投資が有利、金利上昇がピークアウトした後は債券投資が有利ということになっている。

 日経平均株価が史上最高値の3万8915円をつけた1989年。公定歩合はこの年、2.5%から3回の利上げで4.25%へと1.75%も引き上げられた。その後も利上げは続き、90年8月に6%まで上がった。

 一方で長期金利は90年10月発行の10年債の利回りが7.9%でピークを迎え、そこから景気の悪化により、長期金利は2003年6月に0.435%までジェットコースターのように低下した。

 現在、日銀が政策金利としている無担保コール翌日物は0.5%だ。仮に前回のように5回の利上げがあったところで、0.25%刻みで上げていくならば、1.75%に過ぎない。途中、景気回復が鮮明になって0.5%の引き上げがあっても、2~3%までの引き上げがいいところだろうと、深野氏はみている。

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