「デジタルエンタメ天気予報」

「WiiFit」は、実は大きな賭けだった

任天堂が手に入れた新しい切り札

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2007年12月14日(金)

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「Wiiフィット」の画面。足元にある白い箱が「バランスWiiボード」。ヨガをはじめ、有酸素運動、バランスゲーム、筋トレなどの楽しいトレーニングが用意されている (C)2007 Nintendo

 Wii(ウィー)本体発売から、ほぼ1年後にあたる12月1日。「家族で健康」をキャッチフレーズにした、まったく新しいタイプのWii用ソフト「WiiFit(フィット)」が発売されました。

 テレビCFを主体とした大々的なプロモーションが行われましたから、すでにその中身はご存知でしょう。これはバランスWiiボードと呼ばれる、いわば「体重計をコントローラーにした」ソフトです。より厳密にいうと、4つの体重計が中に入っているため、その上に立ったプレイヤーの前後左右への重心移動を感知することができ、それがゲームに反映される、という仕組みです。

 任天堂は出荷台数などを公表していませんが、かなり上々の滑り出しを見せている模様。まだ年末商戦(もしくはボーナス商戦)が始まっていない時期から順調に売れているようです。今後はヨーロッパ市場、北米市場にも投入されますから、全世界でのミリオンセラーは確実だ、と断言してよさそうです。

任天堂は大きなギャンブルに勝利した

 2007年、世界最大のテレビゲーム展示会のひとつであるE3(Wlectronics Wntertainment Expo)でのカンファレンスを皮切りに、多くの発表会の場で、任天堂はこのソフトこそがWiiの目玉商品であるのだと積極的にアピールしてきました。「わたしたちはこのソフトに自信を持っている」という姿勢は一度たりとも崩さなかった。

 しかし、任天堂はゲームビジネスを生き抜いてきた企業であり、だから内心では、多くの不安を抱えていたのだろうと推測します。

 なぜか? ゲームの歴史を知っている者ならば、「周辺機器を利用したソフトは、高く評価されることはあっても、スマッシュヒットすることはない」という常識が存在することは、痛いほどよく知っているからです。

 しかし任天堂は、そんな常識について「知らないふり」を続けました。そして自信満々の姿勢を崩さずに「Wiiフィット」を市場に投入しました。最近好調な任天堂が、ここまで本気でプッシュするなら、きっと面白いに違いない――とユーザーたちに思わせることに成功し、本当にヒットさせてしまった。ここ数年の任天堂の、ゲームビジネスにおける勝負勘の冴えは凄まじいばかりです。

 こうして任天堂は、みごとに新しいデバイスを普及させることに成功。任天堂は大きなギャンブルに勝ちました。その結果、未来の勝利のための手札を1枚、入手したことになったのです。

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著者プロフィール

野安 ゆきお(のやす・ゆきお)

野安ゆきお

1968年生まれ。ファミコンの時代から、テレビゲームの関連記事・単行本の執筆に専念。製作に参加したゲーム攻略本・ゲーム関連書籍は100冊を超え、プレイしたゲームは1000本を超える。

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