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フロイト、ユング・・人間の精神を切り刻み、奥へと向かった男たち

『フロイト伝』カトリーヌ・クレマン著 吉田加南子訳 青土社 2400円(税抜き)

  • 松島 駿二郎

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2008年1月11日(金)

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『フロイト伝』カトリーヌ・クレマン著

『フロイト伝』カトリーヌ・クレマン著

 精神分析学を確立したジークムント・フロイトは、19世紀中葉、1956年にユダヤ人の家族に生まれた。

 世紀末に活躍した科学的巨人の中でも、フロイトは人間の心理、精神に深く沈潜し、その奥底からの報告を成し遂げた稀代の学者である。いわゆるフロイト伝というものは、すでに何冊も発表され、そこに本書があえて食い込もうとするには、格段のモチベーションが必要だったに違いない。

 一読、本書の文体が、フロイト博士に対する呼びかけで綴られていることが分かる。このアイデアは著者の創案になるものだ。おかげで小難しい精神分析の内容が明るく軽くなっている。そして、フランス生まれの著者は、「今のフランス」にとって、フロイトとは何か、という現代的な問いかけを繰り返す。

 「博士、あなたの考え方はまだ古臭くないことを、どうかお示しになってください」と言っているようなものだ。

 フロイトの生き、活躍した時代は、ユダヤ人にとっては苛烈な時期だった。反ユダヤ主義は日々押し寄せる波の様にフロイトの生活を浸食し始めた。フロイトはウィーンで精神分析医としてキャリアを始めた。フロイトは患者にとたいしてさまざまな質問を投げかけるが、患者はその質問にグラリと身体を動かすほどの驚愕を感じたという。

 それはフロイトの質問が的確であり、驚愕が去ったときには、患者は自由な精神を取り戻したという。これこそが精神分析医の真の仕事であり、患者たちは心をギュッと掴まれたと同時に、精神の自由を取り戻すのだ。

 フロイトの偉業は、すべての分析結果を丁寧な記録に残したことであり、それは人間の精神の深みを読みとるものであった。

 人間と心の悩みは、極めて現代的な話題であり、フランスどころか、全世界でフロイトの方法論が、いまや改めて求められているのである。

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