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ほめ上手な親父がニッポンを救う

  • 山崎 雅保

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2008年1月23日(水)

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 前回に登場した、ニート離脱の気配すらみせずにカウンセリングを中断した青年。当時34歳。彼が描くマンガは、少なくとも技術的にはプロ並。けれど彼は、その才能を明かしませんでした。

 「趣味は?」「別に…」「やりたいことや、なりたいものは?」「…ありません」「子どもの頃の夢は?」「……」

 自身の足で歩めずにいる若者はたいてい同等の反応です。「夢も希望も」語れません。そんな青年を前にするたびボクは思います。この心も親たちに夢を奪われたんだ。ほめられ不足で自信を萎えさせて育ってきたんだ。

「ただの怠け者の優しさなんて役に立ちません」

 彼のお母さんにたずねたことがあります。

 「彼の良いところは?」

 お母さんは、ほぼ瞬時に答えました。
 
 「おとなしくて優しいっていえばそうだけど、ただの怠け者には優しさなんて役にも立ちません。娘もいってます。男らしくない。おとなしすぎる。女々しい。割りきりがいい娘だけに、あの息子の姿がうっとうしいんですよ」

 そんな冷たいことをいいながら、お母さんは彼を自分の都合のいいように使ってました。買い物。料理。掃除。収入がなく小遣いもほとんどもらえない彼は、買い物のたび手渡されるお金から自分のためのわずかな「活動資金」を工面していました。

 「ボクは無能だし、稼いでもいないのだから、仕方ありません」

 ボクはお母さんに、一定のお小遣いを手渡すほうがよいと伝えました。

 「いくらかの小遣いは不可欠です。お金がなかったら、ますます社会と触れ合えなくなってしまいますよ」

 「そうでしょうか…。お金を渡したらますます働く必要を感じなくなってしまうと、父親もいってますしね。くだらない絵ばかり描いてる息子に無駄金渡せません」

 「どうか、お父さんにもカウンセリングに来てくださるように伝えてください」

 何度かお願いしました。けれどお父さんは「なぜ俺がアカの他人に説教されなければならない。あんなくだらんヤツのことはもうどうでもいい」とはねつけるだけでした。

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