「歴史探訪」

神戸ゴルフクラブ--3世紀を生きるクラブライフ

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2008年1月22日(火)

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 日本のゴルフの歴史は、六甲山から始まった。明治34年にまず4ホールが、その2年後には9ホールとなり、日本最古の神戸ゴルフ倶楽部が誕生するのである。以来、日本のゴルフ界はめざましい発展を遂げ、時代も大きく様変わりした。

壁に飾られた古い写真が歴史の重みを醸し出す、落ち着いた雰囲気のダイニングルーム。食事だけを楽しみに訪れるメンバーも多いという(写真:北川外志廣、以下も)

壁に飾られた古い写真が歴史の重みを醸し出す、落ち着いた雰囲気のダイニングルーム。食事だけを楽しみに訪れるメンバーも多いという(写真:北川外志廣、以下も)

 しかし、ここ神戸ゴルフ倶楽部には当時の姿がいまだに色濃く漂っている。アップダウンに富むトリッキーな手造りコース、そして、外国人たちが愛したクラブライフがここにある。

六甲の地に根を張り続ける 日本最古のゴルフクラブ

 瀬戸内海国立公園の一端をかすめ、神戸市民の憩いの場として親しまれる六甲山は、市街からは意外に離れている。三宮から電車で2つ目、六甲道駅から六甲登山口までのバスを終点で降り立つと、モダンな2両編成のケーブルカーが待ち受ける。斜度は26度4分。急勾配に身を任せ、昔の別荘客は駕籠で登っていたとの話を思い出した。

 かつて麓から山頂までは2円50銭から5円の駕籠代がかかった。新橋〜大阪間の鉄道料金が6円5銭の時代のことで、大柄な外国人を運び上げるには4人の駕籠かきが必要だったのだ。山国の日本で登山は宿命だが、外国人にはこの駕籠が苦痛だった。箱根・富士屋ホテルの山口正造がいちはやく自動車を導入したのも、外国人の常連客を駕籠から解放するためである。

 霞に煙る神戸湾を背に、ケーブルカーはほんのり秋めいた樹木をくぐりぬける。滑らかに機械的に、時間にすればほんの10分あまり・・・座席でワインを傾けている客がいた。六甲山は若い観光客に様々な新企画を発信している。時代は、駕籠の時代から考えもつかないほど遠くまで来てしまった。手段は時間を変え、時間は生活を変え、そして目的すら変えてしまったかのようである。

18番グリーンを見下ろすように造られたテラス。晴れた日には神戸から遠く大阪までが見渡せる

18番グリーンを見下ろすように造られたテラス。晴れた日には神戸から遠く大阪までが見渡せる

 山上駅から爪先立ちの細道を20分ほど、鬱蒼とした杉木立を抜けると、両脇に広がる芝の緑に視野が解放された。イノシシ避けのフェンスの向こう、ツツジの叢にキジがツーッと消え、時を期せず18番ホールを見下ろすテラスから歓声が起こった。

 明治34年に開場した神戸ゴルフ倶楽部の活動は、4月15日から11月15日までの7カ月間に限られている。そしてその7カ月の短いシーズン中はほぼ毎週末、何がしかのコンペが開かれている。

 歓声は、故岡橋泰一郎・前理事長を記念したレディスの部のプレーオフが最終18番でも決着がつかず、再び1番からのサドンデスに持ち込まれたからだった。昭和7年に建てられたテラスで、ジョッキを片手に会員たちが観戦を決め込んでいた。夫人たちの笑い声に振り返るロマンスグレー、籐椅子に身を沈め静かに霞を見下ろしている人。

現在のクラブハウスはアメリカ人、ウイリアム・メレル・ヴォーリス設計で昭和6〜7年にかけて改築されたもの。木造のシックな佇まいだ

現在のクラブハウスはアメリカ人、ウイリアム・メレル・ヴォーリス設計で昭和6〜7年にかけて改築されたもの。木造のシックな佇まいだ

 「私たちのクラブの特色といえば、こうした家族的な雰囲気でしょうね。子供たちにもこうした雰囲気を受け継いでほしいという方が多いようです」

 神戸ゴルフ倶楽部理事長、高畑宗一さんも、祖父の代からの3代目の会員。現在の会員数は約600名で、初めは神戸在住の外国人倶楽部だった組織も50年前にはその数は約1割に減り、現在では10名ほどだという。

 「おかしな話かもしれませんが、ゴルフが巧いという方はあまりお入りにならない。入っても面白くないのかもしれませんね。ここは距離も短いですし」

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ゴルフの真髄を追及したクオリティマガジン。 ゴルフの歴史、人物の内面に深く切り込んだ記事が特徴。 文化遺産としての「ゴルフ」を誌面化し、ゴルフを愛し、 熱心にプレーずるエグゼクティブ・ゴルファーに向け、興味深い コンテンツを提供している。

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