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隣国の「核」に彼はどう対処したか~『ケネディ』
土田宏著(評:島村麻里)

中公新書、840円(税別)

  • 島村 麻里

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2008年1月24日(木)

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評者の読了時間2時間50分

ケネディ――「神話」と実像

ケネディ――「神話」と実像』土田宏著、中公新書、840円(税別)

 ゴーガイとアンサツ。

 両者の意味するところを初めて知ったのは、小学1年生の秋。ケネディ大統領によってである。家の近所で配られた号外には、「暗」と「殺」という漢字が躍っていた。

「キャロラインちゃんにジョン君、かわいそうになあ」

 父親の棺に向かって敬礼する小さな男の子に涙した。創刊間もない当時の「少女フレンド」や「マーガレット」では、ケネディ一家がたびたびフィーチャーされており、ホワイトハウスのお子たちは、「ナルちゃん」と並ぶちびっこアイドルだったんである。

 本書の著者の場合、高校1年で接した「ダラスの凶弾」がその後の人生を変えた。ケネディの生と死に深く向き合う日々は、やがて著者を研究者の道に進ませ、JFK関連の著訳書を多数、送り出すことになる。

 本書は、そんな著者がものしたケネディ本の、いわばダイジェスト版である。

王朝史をコンパクトに読み直す

 アイリッシュのローマ・カトリックというハンデを乗り越え、約12万票という僅差の勝利で誕生した、43歳の若い大統領。若い頃からめくるめく病魔に襲われ、太平洋戦争で手柄を立てて英雄視されるも、本人自身はさほど強く望んだわけでもないらしい「出世」。

 ジャクリーン・ブービエとの結婚、「キャメロット」にたとえられたホワイトハウスでの生活。あまねく女性スキャンダル、そしてケネディものといえばお約束、暗殺の「真相」(とある海軍提督を著者は真犯人と見ているようだ)と連なるJFKの生涯が、本書にはコンパクトにまとめられている。

 ケネディものをそこそこ読み囓った者にとっては、すでに知っている事項が並ぶ感は否めないだろう。ハルバースタムの『ベスト&ブライテスト』(朝日文庫)や暗殺の謎に迫る『ベスト・エヴィデンス』(彩流社)など、著者によるものを含め、より詳しい本が他にいくらでもある。

 ただ、なにごとも50年経つと歴史になるという。暗殺から半世紀近く、「王朝」などとミョーに神格化されたりもするケネディとその時代をいま、気軽に手にとれる新書によって振り返ってみるのは悪くない。

 とりわけ、ケネディ政権約1000日の間に米国を襲ったキューバ危機とその回避のされ方である。この部分は、冷戦時代がともすれば風化を始め、あるいは「日本の核武装」が論じられてしまう昨今ならこそ、”復習”されるべきだろう。

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