「立川らく朝の「落語で健康! 笑ってメタボ脱出」」

糖尿病予防にはカロリー制限と笑い

バックナンバー

2008年1月31日(木)

1/2ページ

印刷ページ

「えー、糖尿病という病気がございましてね。これはもうみなさんよくご存じの病気でございますけれども、増えているんですね。いま糖尿病の方だけじゃないんですよ。もうちょっとであなた糖尿病になりかねませんよ、危ないですよ、という、いわゆる予備軍ですね、こういう方がいま日本全国に900万人以上いらっしゃるんですね。20歳以上だと6人に1人が糖尿病もしくは予備軍。こういう時代になっちゃいましたよ。」

立川らく朝

立川らく朝
動画はこちらから

 糖尿病には大きく分けて2つのタイプがあります。インスリンが出てこないI型糖尿病、インスリンが十分出ていないか、出ているんだけどあまり働かないII型糖尿病。両方あるんですが、成人ではほとんどがII型です。I型は子供に多く、II型は遺伝的な要素に生活習慣の乱れが重なって発病します。お医者さんに「ご家族に糖尿の方がいらっしゃいますか」と聞かれることが多いのはそういうわけなんです。一番気をつけたいのは何といっても肥満。肥満によってインスリンの効果が悪くなることも分かっていますから、やっぱり食事には注意が必要ですよね。

「どうしてかというと、お食事のせいなんです。日本人がいっぱい脂肪を食べるようになっちゃった。これはみんな洋食が増えてきているからなんですね。洋食をいっぱい食べるから脂肪をたくさん食べるようになっちゃったんですね。だからこんな方もいらっしゃいますよ、何日も洋食が続いちゃって、まずいなあ、ちょっとなあ洋食が続いちゃったなあ、今日こそ和食にしようと思って、お寿司屋さんに行く。でもお寿司屋さんに行ったら、和食になるかと思ったら大間違いですよ。変な寿司屋さんに行ってごらんなさい。出てくる魚の半分は“ヨウショク(養殖)”ですから。」

 事実、お寿司は肥満を防ぐかと言えば、脂ののったトロをパクパク食べたら何にもなりません。だいいち、お寿司っていうのは寿司飯に砂糖が入ってます。これがかなりカロリーをとってる。気をつけてくださいね。中トロ2貫で120キロカロリー以上。4貫食べたら、男性用のお茶碗一杯分のご飯とほとんど同じになっちゃうんですよ。

「でも、じつはこの糖尿病という病気は回転寿司にたとえることができるんです。ねえ、増えましたよ回転寿司。中にベルトコンベアがありましてね、そこに一列に寿司が流れている。そして、この一列に流れてくるお寿司をまたお客さんが一列に並んでくわーって食べるでしょ。」

 糖尿病の治療は、なんと言ってもまずカロリー制限。必ずしも治す必要はなくて、コントロールが可能なんですね。欲望のままにパクパク食べず、きちんとカロリーコントロールをしてお医者さんの治療法を守ればいいんです。まれに不可能な人もいるんですよ。コントロールがものすごく難しいタイプの糖尿病、フリットル型というんですけどね。そう多いものではないので、ほとんどの人にとって糖尿病はコントロール可能な病気なんです。

「私たちがご飯を食べるでしょ。そうすると、最終的に血液のなかをブドウ糖という形で栄養分が巡ります。これを体の細胞が取り込むんです。そして、細胞の中でブドウ糖をエネルギー源にするんです。だから、私たちはご飯を食べると元気になるんですよ。ところがね、この細胞がブドウ糖を取り込む時にどうしても必要なホルモンがあるんです。それが膵臓から出てくるインスリンですね。これがないと細胞はブドウ糖を取り込むことができないんですよ。ところが、糖尿病の人っていうのは、じつはこのインスリンがぜんぜん出てこないか、出てきても作用が弱かったりするんですね。だから、ブドウ糖をちゃんと取り込めないんです。ですから血液中のブドウ糖が上がりっぱなし、つまり血糖値が高い状態が続いてしまう。これが糖尿病なんです。」

 だから糖尿病っていうのは、実は、回転寿司ととてもよく似たところがあるんですよ。回転寿司でベルトコンベアーのお寿司は、お客さんが食べているから一定の量がいつも回ってるんです。ところがね、回転寿司のお客さんが後ろで手錠で縛られたとするでしょ。お客さんが食べられないにもかかわらず、お寿司屋さんが律儀なもんだから、どんどんお寿司を握ってコンベアーの上に乗せるとどうなります。ベルトコンベアーの上のお寿司がだーっと溢れかえっちゃうでしょ。お寿司が溢れかえっているのにまだお寿司屋さんがまだどんどん握っていると、今度はお寿司がぼろぼろ床に落ちますよ。これが実は糖尿病の状態なんです。

ここから先は「日経ビジネスオンライン」の会員の方(登録は無料)、「日経ビジネス購読者限定サービス」の会員の方のみ、ご利用いただけます。ご登録のうえ、「ログイン」状態にしてご利用ください。登録(無料)やログインの方法は次ページをご覧ください。


関連記事

Keyword(クリックするとそのキーワードで記事検索をします)

Feedback

  • コメントする
  • 皆様の評価を見る
この記事を…
内容は…
コメント0件受付中
トラックバック
著者プロフィール

立川らく朝(本名、福澤恒利)

立川らく朝

落語家、医師(医学博士)、表参道福澤クリニック院長。1954年長野県生まれ。79年、杏林大学医学部卒業。同時に慶応義塾大学医学部内科学教室へ入局。主として生活習慣病、動脈硬化症および予防医学の臨床と研究に従事。専門は高脂血症(学位はコレステロール代謝の研究で取得)。慶応健康相談センター(人間ドック)医長を経て、1992年、メディカルサポート研究所を設立。医療関連サービスビジネスを立ち上げる。2002年、「表参道福澤クリニック」を開設。以後、院長として内科診療にあたる。

1998年、44才で立川志らく門下に客分の弟子として入門。2000年、46才にして立川志らく門下に本来の弟子として入門し直し、プロの落語家としても活動を開始。04年、立川流家元、立川談志に認められ二つ目昇進。

医師である立場を生かし、健康教育と落語をミックスした「ヘルシートーク」、「健康落語」、および「健康一人芝居」という新ジャンルを開拓。マスコミなどで評判となり、現在では全国での公演に飛び回る毎日。

独演会の予定はこちら

記事を探す

読みましたか〜読者注目の記事

  • いま、歩き出す未来への道 復興ニッポン

日経ビジネスからのご案内